宮崎県内で特殊詐欺の被害が後を絶たない。2026年1月から6月までの被害総額は約8億1296万円に達し、警察官を装った手口で約1000万円をだまし取られる事件も発生している。事態を重く見た宮崎県警は、犯人と被害者を直接接触させないための「自動通話録音機」の普及を急ぐ。高齢者世帯への無償貸与を通じて、電話の入り口で犯人を撃退する水際対策とは。
犯人を遠ざける自動録音機
深刻化する状況に対し、宮崎県警が重点を置いているのが「犯人と直接話をさせない」物理的な対策だ。

県警は2014年から65歳以上の高齢者が居住する世帯を対象に、自動通話録音機の無償貸し出しを行っている。
自動通話録音機は電話機に接続して使用するもので、着信時に「この電話の通話内容は、防犯のため会話内容を自動録音いたします」という警告ガイダンスを流す仕組みだ。証拠が残ることを極端に嫌う犯人側に対し、強い心理的抑止力を発揮する。
取り付けの依頼があった国富町の住宅では、警察官による取り付け作業が行われた。

設置に要する時間は3分程度と短く、既存の固定電話に容易に導入可能だ。
警察官:
まずガイダンスが流れます。そのガイダンスが流れた後に、着信音が鳴るようになっています。約20%の電話、つまり5件に1件の電話は、ガイダンスが流れている間に電話を切ります。
設置を依頼した高齢男性:
後期高齢者ですから、だまされるようになって当たり前になると困るから、事前に自分でできることはやっていこうということでお願いしたところです。
警察によると、2026年4月の時点で645台が貸し出されている。

宮崎県警生活安全部 山口直哉統括官:
犯人側と直接話をすることは、だまされるリスクが高まることになるので、物理的に犯人側と話をさせないということが大事 。
警察は固定電話への対策に加え、スマートフォン向けに詐欺電話を自動で判別・ブロックするアプリの導入も推奨している。
全世代に広がる詐欺の脅威
特殊詐欺の魔の手は高齢者だけに留まらない。

被害者の年代別内訳を見ると、40代と70代が共に18%、50代が17%、29歳以下も11%を占めるなど、幅広い層が標的となっていることが浮き彫りとなった。
宮崎県警生活安全部 山口直哉統括官:
決め手は、お金の話が出た場合は、必ず詐欺だと疑ってかかることが大事。
特殊詐欺の被害は、もはや誰にとっても「自分事」として警戒すべき身近な脅威となっている。警察は今後も「犯人からの電話を取らせない」対策を軸に、被害防止の取り組みを強化する方針だ。
(テレビ宮崎)
