凍らせたカチカチのバナナで釘を打つ…そんな光景はCMなどで見たことがあるかもしれないが、実際にやったことがある人は多くないだろう。

そのような中、精密鋳造メーカーの株式会社キャステム(広島・福山市)が、“マイナス40度の世界”でなくても釘が打てる“バナナ”を製作した。その名も「バナナハンマーDX」だ。

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キラキラと輝く見た目も美しい「バナナハンマーDX」は、長さ約20センチ・重さ約1.5キロのブロンズ製のバナナ型ハンマー。

フィリピン産の本物のバナナから型を取り、キャステムの精密鋳造技術で金属化しているため、バナナ特有のザラザラした質感・大きさなどが完全再現されているという。正しくは、バナナを金属化した商品なのだ。

価格は“いいバナナ”ということで1万1877円(税込み)。キャステムの公式オンラインショップの「IRON FACTORY」で、11月22日から販売を開始した。なお今後は、キャステムの店舗「京都LiQショップ(京都・京都市)」「meta mate(東京・日本橋)」での販売も予定しているという。

もちろん、しっかりとハンマーとしての役割も十分に果たせるようになっており、釘を打つことも可能。「IRON FACTORY」公式YouTubeでは、実際に釘を打つ様子が動画で紹介されている。
 

子どもの頃に一度はやってみたいと思った人も多そうな、“バナナで釘を打つ”という体験ができる面白いハンマーだが、実際の使い心地はどうなのだろうか? そもそも、なぜバナナをハンマーにしようと考えたのか?

株式会社キャステム・新規事業本部 IRON FACTORYの八杉果奈さんに話を聞いてみた。

技術を無駄遣いした完全再現

ーーなぜ「バナナハンマーDX」は誕生した?

キャステムは2019年にも「バナナハンマー」という商品を発売しております。こちらは取っ手がついている半分のバナナのタイプのものでして「釘を打つ切り口の面まで本物のバナナそのままですごい!」という意見もありましたが、「昔見たバナナで釘を打つCMではまるごとバナナなのに!」という意見も寄せられました。

その意見を受け、本物そのままを金属化した「バナナハンマーDX」を製作することになりました。

初代「バナナハンマー」
初代「バナナハンマー」

ーーそもそも、なぜバナナをハンマーに?

昔話題になったCM「マイナス40度の世界では、バナナで釘が打てます」のオマージュです。弊社の技術であれば、マイナス40度でなくても打てるバナナハンマーが作れると思い、商品化に至りました。話題性を狙いSNSにあげたところ、ものすごく反応がよかったことから販売に至りました。


ーー製造で難しい部分はある?

50年間培ってきた金属部品を作る技術がありますので実は特にございません。アイデア勝負の商品となっております。


ーー「バナナハンマーDX」の出来栄えの感想を教えて

バナナ特有のザラザラした質感、大きさなどが完全再現されており、弊社の技術を無駄遣いしております。

ちなみに、2019年に発売開始された初代「バナナハンマー」は、こちらも「IRON FACTORY」で3300円(税込み)で購入することができる。

正直、普通のハンマーの方が使いやすい

ーー使用の際に注意すべきことはある?

とても重いので人に向けて振らないようにお願いします。あと食べられません。経年劣化により、色がアンティーク調になるためそれも含めてお楽しみいただければと思います。

バナナは一つ一つ職人が手作業で作っておりますので、若干の個体差がございます。写真と実際のバナナの色味・形が若干異なる場合がございます。


ーーハンマーとしての使い心地は?

動画でも本当にバナナで釘を打っていますので、もちろんハンマーとして使用することは可能です。ただし使いやすさを重視した商品ではなく、バナナを丸ごと金属化しそれをハンマーと言い切る面白さ、話題性を重視しました!

こちらのバナナハンマー、なんと1.5キロもありますので重い!という感想です。正直使い心地は普通のハンマーの方が使いやすいですが、見た目が楽しいです。ハンマーとしての使いやすさを求められる方は、初代「バナナハンマー」をおすすめしております。

実際に釘を打つ様子 打ち始め
実際に釘を打つ様子 打ち始め

ーー反響はどう?

SNSで多くのサイト様に取り上げていただき、「買います!」という声も多数いただいております。今までも弊社はカープグッズやキン肉マンのグッズなど、斜め上をいく商品をたくさん開発しておりまして、「またキャステムか!」といった声も寄せられています。

反響に対しては、ネット受けを期待してプレスリリースを作成しましたが、これほど多くの人に見て頂けるとは思っておらず、社員一同驚いております。令和最速グッズの際もたくさん取り上げて頂きましたし、斜め上を行く商品企画は得意としていますので、私たちが期待していた反応をお客様にして頂けてとてもうれしく思っております。キャステムの商品らしい反応をしていただいてるのが嬉しいです。


ーーどういった人に、どのように使ってもらいたい?

DIYをしたい人だけでなく、釘を打つのはバナナ派の人、バナナをいちいち凍らせるのが面倒くさい人、釘は打たないけど部屋にインテリアとしてバナナを飾りたい人、筋トレでバナナダイエットをしたい人にも使っていただきたいです!

実際に釘を打つ様子 ここまで釘が打てる
実際に釘を打つ様子 ここまで釘が打てる

機能性よりも話題性を重視した2代目のバナナ型ハンマー「バナナハンマーDX」。ハンマーとしての役割だけでなく、インテリアや筋トレの道具としても活用できるとは、実はとても使い勝手のいい商品なのかもしれない。

バナナとDIYどちらも好きな人は、どちらの好きも堪能できる「バナナハンマーDX」の購入を検討してみるのはどうだろうか?
 

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プライムオンライン編集部
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