福島第一原子力発電所2号機の燃料プールに残る核燃料をめぐり、45年前のトラブルにより部品の一部が破損していた“非健全燃料”について、8月18日に試験的な吊り上げに成功したと東京電力が公表した。

福島第一原発2号機の燃料プールには使用済みの核燃料587体と、未使用の燃料28体の、合わせて615体の燃料が保管されていたが、6月2日から取出し作業を開始。共用プールに移動させる作業を行っている。8月17日時点で35体の取出しが完了した。
作業上の中断をはさみながら、2028年度中には2号機の燃料プールにあるすべての核燃料の取出しを完了させる計画となっている。

2号機の燃料プールには複数の“非健全燃料”が存在する。その1つが1981年に落下によって部品が破損して吊り上げ不可となったもので、取り扱いができるよう翌年にワイヤーで修復している。2011年の事故での海水注入を踏まえ、同様の形状のワイヤーで腐食試験を行うなどして十分な強度があることを確認しているものの、問題なく吊り上げられるかを確かめるため、2026年8月18日に“吊り上げ試験”を行った。
東京電力によると8月18日は午後1時50分ごろから試験を実施。15cmほど吊り上げられることを確認し、午後2時30分ごろまでに試験を終了した。
この燃料は取出し作業の最後にあたる615体目に取り出す計画だという。

2号機の燃料プールにはこのほかにも、震災前から被覆管にピンホール大の穴があいた漏えい燃料と、一部の部品が変形したものが1体ずつ、“非健全燃料”として保管されている。これらについては吊り上げ試験を実施した1体とは違い、通常の燃料と同様に燃料取扱機による扱いが可能だという。


一方、2号機では燃料デブリの3回目の試験的取出しに向けた準備も進められている。
2号機では、2024年11月と2025年4月に燃料デブリの採取が行われているが、2回の採取量を合わせても、約0.9gと1円玉1枚にも満たない。
3回目の試験的取出しについては「順調にいけば2026年7月に試験的取り出し作業に着手する」としていたが、作業に使用するロボット設備の一部に不具合が見つかったため7月着手は断念し改めて工程を精査するとしている。
福島第一原発に残るデブリは約880tと推計されていて、取り出したデブリはその10億分の1程度と、取り出し完了までの道は遠い。

事故で溶け落ちた核燃料=燃料デブリの取り出しと合わせて、使用済み核燃料を取り出し、安定した状態で保管することは廃炉に向けた大きな課題となっている。
国と東京電力は福島第一原発の2051年までの廃炉完了を掲げていて、東京電力は2031年までに1~6号機のすべてから燃料取出しを完了させることを目指している。

福島テレビ
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