2024年に北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件で、主犯格とされる川口侑斗被告に求刑通りの無期懲役の判決が言い渡されました。
判決のポイントを正木裕美弁護士が解説します。
札幌地裁は判決理由について、川口被告が事件の主犯であるとの評価が相当であり、犯行当時18歳と若年であったことを考慮しても、終始主導して被害者を死亡させた責任は重いとしました。
アディーレ法律事務所の正木弁護士によりますと、減軽されず求刑通りの判決となった最大の理由は「主導性」にあるといいます。
「事件の開始、暴行のエスカレート、金品の強取といったすべての場面で主導的な役割を担っている。他の共犯者の判決では主導的な役割は認められておらず、川口被告のみにはっきりと認められた点が決定的だったのでは」と分析。
「暴行の程度や内容が他の共犯者と比べて圧倒的にひどかった。死という結果への影響が大きかったことも無期懲役の判断に影響している」と指摘しました。
また、川口被告が犯行当時18歳の”特定少年”であったことについて、正木弁護士は「少年法の趣旨を鑑みて考慮される場合もあるが、年齢によって刑が大きく変わるというわけではない」と説明。
そのうえで今回の判決について、「被告の生育歴や行動特性について影響は考慮されているが、本件では無期懲役は免れないとの判断に至ったのでは」との見方を示しました。
一方、事件のきっかけを作ったとされる川村葉音被告(21)は、一審で無期懲役の求刑に対し懲役30年の判決が言い渡されました(現在控訴中)。
川口被告と川村被告の判決の違いについて、正木弁護士は「役割の差が影響したのでは」と指摘します。
「川村被告の暴行の回数自体は川口被告より少なく、死という結果への影響もさほど大きくなかったと判断された。川村被告の行動が事件のきっかけとなったことは認められているが、主導性までは認められなかったことから、有期刑の上限にとどまったのでは」と分析。
今後、川村被告の控訴審が行われる予定のほか、八木原亜麻被告(21)の裁判も期日未定ながら控えています。
川口被告の判決が今後の裁判に与える影響について、正木弁護士は「一定の影響を与えるとは考えられるが、もし川口被告が控訴した場合、確定した基準となる判決がない状況になる」と指摘。
「川村被告も検察側と弁護側の双方が控訴しており、控訴審で改めてこの事件に正面から判断が下されるという状況になっている」との見解を示しました。
