7月28日に最大震度7を観測した今回の熊本地震は日奈久断層帯の一部がずれ動いたとみられていて、被災地では地割れによる段差など至る所で断層のズレが確認されています。FNN取材団は、活動層と地震のメカニズムに詳しい大学の研究者による現地調査に同行し、再び大きな地震が起こるリスクについて、2回にわたってお伝えします。(第1回目です)
西村勇気アナウンサー:
「八代市上片町です。農地の真ん中に断層が露出しています。その断層を目で追っていくと、エネルギーの流れがよくわかります」
地割れの先には高速道路があり、継ぎ目が上下にずれてしまっています。
今回の熊本地震で震度6強を観測した八代市内では、こうした地割れが複数箇所で確認されています。
西村勇気アナウンサー:
「龍峯小学校のグラウンドに走った地割れ、深さは約50センチほどもあります。グラウンドを一直線に貫いて長さは60メートルほどにわたります」
地面を切り裂くようにしてできた地割れは、上空から見ると、まるで線でつながっているように見えます。
これは何を意味しているのか。
活断層と地震のメカニズムに詳しい遠田晋次教授とともに現地を調査しました。八代神社では門などが完全に崩壊し、大きな地割れとずれが発生していました。
東北大学・災害科学国際研究所 遠田晋次教授:
「地下でずれ動いて地震を起こした断層が、地表まで出てて、こちら側が隆起して、向こう側が下がったという痕跡」
隆起した地面と下がった地面によって、段差が大きくなったことが特徴だといいます。
八代神社 宮司 小林雄彦さん:
「この断層、向こう側からずっとつながってますけど、揺れでずれながら上がったと思う」
傾いた社殿のすぐ横にも、地割れが伸びていました。
東北大学・災害科学国際研究所 遠田晋次教授:
「地面が引き裂かれて上下に動くので、ああいうふうに亀裂が入って建物が被害を受けているという状況。(原因は)日奈久断層です」
熊本地方を北東から南西に貫く「日奈久断層帯」。
国土地理院は、今回の地震で、大地が北東に約87センチ動いたと発表しました。
10年前にも最大震度7を経験した熊本県。
前回は、「日奈久断層帯」の北の端で発生したとされ、今回はその南側で起きたとみられています。
10年前、遠田教授の現地調査に同行した際も、畑が2メートルほど不自然にずれていたのを確認していました。
今回も起きた活断層のずれ、遠田教授が注目したのは…。
東北大学・災害科学国際研究所 遠田晋次教授:
「道沿い、道の脇の所、本来赤いポールの立ってるところが右に、断層を隔てて少しずれている。だから横にもずれてるし、縦にもずれているという特徴があります」
上下だけでなく、左右の水平方向にもずれた可能性が高いと言います。
神社から地割れをたどると…。
東北大学・災害科学国際研究所 遠田晋次教授:
「まっすぐの道でまっすぐのブロック塀がずれ動いたという状況です。ここをちょうど断層が通っているがその上に住宅があった。この地域の特徴は地震の揺れでは倒れなかったけど、断層のずれで被害を受けていると」
日奈久断層帯の真上に建つ築5年ほどの家屋。
中を見せてもらうと、ボールが転がりました。
住人:
「もう下る坂みたいになってる状態ですね。ちょっと酔っちゃう感じでずっと」
Q.気持ち悪さを感じることは
「感じたりします。朝起きたら吐きそうになって、ずっと傾いてる」
神社から北方向にある田んぼにも大きな段差が…。
住人:
Q.棚田みたいになっているが
「(もとは)まっすぐの田んぼだったということです」
「ここ見ていただいても、横ずれもあるのが分かると思う」
Q.高低だけじゃなくて
「横にもずれていると思う」
道路の継ぎ目が大きく上下にずれ段差ができた高速道路。その周辺にも地割れが発生していました。
東北大学・災害科学国際研究所 遠田晋次教授:
「断層のずれがそのまま高速道路の橋脚の所に行っている。橋脚の柱が片方は隆起して片方は下がっているので落ちかかっているような被害を受けている。地震の揺れには耐えても断層のずれそのものによって破壊されてしまったという一つの例ですね」
広範囲で地割れをもたらした断層のズレ、再び大きな地震が起きる可能性はあるのでしょうか。
東北大学・災害科学国際研究所 遠田晋次教授:
「今回ずれ動いた日奈久断層帯は全体の一部でしかない。半分ぐらいですかね。ですから今後も大きな地震を引き起こす可能性が十分あるんだということです」
※第2回では、政府の地震調査委員会が指摘している日奈久断層帯の、いわゆる〈割れ残り〉についてお伝えします。
