富士山で登山ツアーに参加していた大阪府の64歳男性が8合目付近で意識を失い死亡した。登山者の事故が相次ぐ中、ガイドや専門家は体調管理や無理をしない登山など注意を呼びかけている。

富士山で相次ぐ死亡事故 …8合目付近で意識失う

一面に広がる雲海。

この記事の画像(17枚)

5日朝、富士山頂から見えたご来光だ。

山頂の山小屋周辺には、早朝から多くの登山者が訪れ、この見事な眺めを楽しんでいた。

 標高約2300メートルの5合目登山口では…。

ツアーガイド:
山頂目指して頑張るぞー!

登山客:
おー!

ツアーガイド:
よし、スタート、行きましょう!

5日も多くの登山ツアー客らが山頂を目指して登山道へ。

こうした中で3日起きたのが、富士登山者の死亡事故だ。

死亡したのは大阪府の大学職員、加治屋秀樹さん(64)。

警察によると、加治屋さんは妻と登山ツアーに参加し、3日午後3時15分ごろ富士山5合目を出発。

約5時間後の午後8時すぎ、8合目付近で意識を失った。

妻が同行者に救助を求め、8合目救護所の医師が現場に駆けつけたが、その場で死亡が確認された。

「頂上行くのが目的じゃない」 ガイドが語る安全第一

 加治屋さんが参加した登山ツアーとは別のツアーの添乗員は、今回の死亡事故を受け、ガイドと話し合ったという。

 別のツアーの添乗員:
そのニュースは聞いています。ガイドと共有して、事故なく無理なく行こうっていうことで。

 別のツアーの添乗員:
頂上行くのが富士山の目的じゃなくて、元気に次の日に家の玄関くぐってもらうっていうのが目標だっていうことなので。安全第一ですね。

加治屋さんに外傷はなく、警察は病死の可能性があるとみて調べている。

登山前の確認と備えが重要

富士山では登山者の死亡事故が相次いでいる。

7月17日には、登山ツアーに参加していた65歳の男性が転倒して動けなくなり、その後死亡。

7月21日には、スイス国籍の58歳の男性が息子と2人で登山中に体調を崩し、山小屋で休憩していたところ倒れ、その後死亡した。

5日、富士山の5合目登山口では、加治屋さんが参加したツアーとは別のツアーのガイドが参加者に対し、登山前の確認を行っていた。

別のツアーガイド:
後ほどもう1人のガイドが既往歴とかある方、こそっと聞きます。糖尿病とかいろんなのお持ちの方はね、一言声かけてください。

取材したツアーガイドは、万が一の場合に備え、救急キットやAEDを用意していた。

 別のツアーガイド:
(救急キットやAEDを)持たなきゃいけないルールがあるわけではないので。我々はチームとして用意して、中身とかも管理して常に持っているように。

「 富士山頂は真冬と同じくらいの気温」

富士山頂で毎年夏、住み込みで働いている写真家の植田めぐみさんは、富士登山に潜む危険と注意点を次のように指摘する。

植田めぐみさん:
富士山頂上はですね、真冬と同じくらいの気温で、目を開けるのもやっとなくらいの強風が吹いたりだとか。

植田めぐみさん:
30度以上の温度差ができてしまいますので、体には大変負荷がかかると思います。登山があまり経験がない方だとか、初めてって方も多く感じます。

「 無理せず自分のペースを」

植田めぐみさん:
他の方に合わせすぎて無理して上がってしまったりだとか、体調が悪くなっても言い出せないだとか、そういったこともあるかと思いますので。

植田めぐみさん:
本当に調子が悪くなったときに我慢するんじゃなくて、一緒にいる添乗員さんやガイドさんにちゃんとそういった旨を伝えて、無理せず自分のペースを守りながら歩いてほしいなと思います。
(「イット!」8月5日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(17枚)