夏の風物詩、盆踊り。
札幌市では、その数が減っています。
理由の一つが騒音問題です。
夜に流れる音楽や太鼓の音が、うるさいと感じる人もいるようです。
住民への配慮と伝統は両立できるのでしょうか。
今から36年前。
札幌市中央区の駅前通を埋め尽くす人。
約1万5000人が参加した盆踊り大会です。
短い夏を惜しむように、北海道各地で盆踊りが盛大に行われてきました。
8月1日と2日、札幌市東区で行われた盆踊り。
2日間で5000人以上が参加しにぎわいましたが…。
「場所がなければ、やぐらは建てられない。盆踊りが衰退していく」(北海盆踊り普及連合会 荒川 和雄 会長)
盆踊りの普及に取り組む荒川和雄さんです。
荒川さんによると札幌市で開催される盆踊り大会は約20か所。
20年前と比べ、半減したのではといいます。
「公園しか盆踊り会場がない。騒音問題で公園を貸さないということが起きている」(荒川さん)
担い手不足などのほか、原因の一つが騒音問題です。
札幌市などによりますと、地域の祭りや盆踊りに対し「うるさい」などという意見が例年数件寄せられるといいます。
主催者側も配慮しています。
「踊る時だけ音楽を流して、その後の時間は音は流さない。音響スタッフも配置して、きちんと気をつけている」(ひのまる公園盆踊り実行委員会 高橋 直美 委員長)
長く続いてきたイベントなどが、騒音問題を契機に中止や縮小に至ったケースもあります。
運動会の開催を告げる早朝の花火。
中止した学校も少なくありません。
札幌市の大通公園で行われる、恒例のビアガーデン。
営業時間はかつては午後10時まででしたが、現在は午後9時までです。
近隣への騒音や環境への配慮などから、短縮されました。
そして、盆踊りですが、石川県金沢市ではかつてこんな取り組みも。
無音の中、踊る人たち。
「サイレント盆ダンス」です。
イヤホンから流れてくる音楽に合わせて踊ります。
「耳で音が出ているので、不思議な感じはしない」(参加者)
昔ながらの盆踊り。
その行く末は、どうなるのでしょうか。
「踊りがピークを迎えています。楽し気な太鼓や音楽の音が周辺の住宅街にも響いています」(木村 洋太 記者)
地域住民は盆踊りの音を、どう感じているのでしょう。
「別に気にしない。毎日だったら、どうかと思うが」
「風物詩だから、うるさいとは感じない」(いずれも地域住民)
騒音だととらえる人には出会いませんでしたが、主催者側の配慮はこんなところにも。
「きょうのプログラムは終わります」(盆踊り会場のアナウンス)
まだ明るいうちに、盆踊りは終了しました。
「午後7時に終わる。めりはりのある盆踊りの開催の仕方があると思っている」(高橋さん)
余韻も冷めやらぬ中、撤収作業が進みます。
「苦情があったら次の開催ができないので、細心の注意をはらう。地域の人を巻き込んで、盆踊りを開催することが一番大切」(高橋さん)
地域へ気配りしながら、慣れ親しんできた文化を次世代につなぐ取り組み。
盆踊りの灯はいつまで続くのでしょうか。
