最大震度7を観測した地震の発生から4日目。高校サッカー・インターハイ準決勝に挑んだ熊本代表・大津高校の選手たちは、腕に喪章をつけピッチに立った。被災した故郷へ明るいニュースをー。逆境の中、全力を貫き熊本へエールを届ける姿があった。
思いは一つ「熊本のために」
最大震度7を観測した熊本地震の発生から4日目。高校サッカー・インターハイの会場となった福島県のJヴィレッジには、「ガンバロウ熊本」と書かれた横断幕が掲げられていた。
「熊本のために」・・・選手も、その家族も、想いは一つだった。
この日、準決勝に臨んだのは、前回大会準優勝の実績を持つ熊本県代表の大津(おおづ)高校。会場に応援に駆けつけた14番・薮田尚大(なおと)選手の母・淳子さんは、熊本市に残る家族の身を案じていた。
「やっぱり余震が続いていて時々大きかったりするので、地震の度にすぐ連絡が来ています」

不安を抱えながらも、息子と故郷のために前を向く。
「前日に勝って『熊本に明るいニュースを届けられて良かったね』『今日もまた頑張るよ』と話していたので、全力で頑張ってほしいと思って応援しています」
親族が熊本地震で犠牲になった部員もいる中、選手たちは腕に喪章をつけてピッチに立った。会場全体で黙祷が捧げられ、スタンドからは「地震に負けるな!頑張れ熊本!」と温かい声援が飛んだ。
重なる不安と熱い声援
強豪・静岡学園(静岡県)との試合は序盤、大津がゴールネットを揺らしたものの、惜しくもハンドの判定。両者一歩も譲らず、スコアレスのまま前半を折り返す。
スタンドには、遠征中のバスの中で地震に遭遇した1年生の姿もあった。田中大雅さんは当時の心境を振り返る。
「熊本の家族や仲間がどういう状況になっているのか、それが一番不安でした。先輩たちに勝ってもらえるよう、自分たちがもっと声を出して応援したいです」

後半、静岡学園に先制点を許す展開となっても、保護者席からは「まだまだ!」「頑張れ!」と熱い声援が送られ続けた。
最後まで貫いた全力
激闘の末、試合終了のホイッスルが響き、大津は惜しくも敗れた。しかし、最後まで故郷への想いを胸に戦い抜いた選手たちの姿は、多くの人の胸を打った。
チームを率いる山城朋大監督は、選手たちの思いをこう代弁する。
「地元が苦しい状況にあることは、すごく感じていました。だからこそ自分たちにできることは何か、選手たちは強い決意を持って大会に臨んでくれたと思います」

薮田尚大選手も、プレーに込めた胸の内を語った。
「熊本にいる仲間や、被害に遭われた方々に少しでも力が届けばと思ってプレーしました。熊本に戻ったら、被害に遭っている場所の片付けなども手伝いたいです」

逆境の中、福島のピッチで最後まで全力を貫いた大津高校の選手たち。そのひたむきな姿は、被災した故郷・熊本へ確かなエールとなった。
(福島テレビ)

