7月28日、熊本地方でマグニチュード7.1、最大震度7を観測する地震が発生しました。

震源の深さは16キロで、熊本県内では複数の死者が確認され、家屋の倒壊や断水、停電といった広範な被害が生じています。

この地震を受けて、京都大学巨大災害研究センターの中野元太准教授が、地震の特徴や今後の注意点、さらに近畿の断層リスクについて解説しました。

■「阪神淡路大震災」とほとんど同じ「震源の浅さ」が特徴の地震

今回の地震の特徴として、中野准教授がまず強調したのは、震源の浅さでした。

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「マグニチュード7.1という非常に強い地震が、震源の深さ16キロと浅いところで発生しました。その上にある地域では非常に強い揺れが伝わり、特に低層階や耐震性が不足している住宅で被害が出ました」

【吉原キャスター】「この震源の深さですが、阪神淡路大震災もこれぐらいの深さだったと聞いています」

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震も震源の深さは16キロとほとんど同じです。兵庫県南部地震はマグニチュード7.3。まさにそれに匹敵するぐらいの揺れが起こった」

■10年前の地震との関係は

熊本地方では2016年4月14日に震度7を観測する地震が発生し、その2日後にも最大震度7の地震が立て続けに起きました。今回の震源はその位置からさらに南に当たると
されています。

今回の地震と10年前の地震はどのような関係があるのでしょうか。

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「今回の地震の震源は日奈久断層帯の少し北寄りですけれども、2016年4月14日の地震は日奈久断層帯の北の端で発生をしています。そこから少し南に震源が移っているといえると思います」

また、九州自動車道・八代インター近くに地表の亀裂が確認されたことについては、「これが断層かどうか断定することはできないが、断層の運動、横に大きくずれることによって地表面にまで現れていると思われる」と述べました。

その上で、今後の地震について注意を呼びかけました。

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「少なくとも2、3日、1週間程度は今後も同規模の程度の地震に注意する必要があります」

■“Sランク”断層帯とは

近畿には、「今後30年以内の地震発生確率が3%以上」とされている、“Sランク”断層帯が複数あります。

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「政府が活断層の調査をしていて、たくさんある活断層の中でランク付けをしています。

そのランク付けの最も高いものが“Sランク”。『3%以上』という数字は、非常に分かりにくいかと思いますけれども、例えば阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震では、当時の発生確率でいうと、0.02%から8%程度でした。

それから日奈久断層帯は政府の調査では同じ“Sランク”に位置していました。そういった意味で“Sランク”というのは非常に注意すべき断層になります」

■近畿の主な“Sランク”断層帯

近畿には、主な“Sランク”断層帯が3つあります。

・琵琶湖西岸断層帯北部
・上町断層帯
・京都盆地―奈良盆地断層帯南部

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「この中でも特に人が多く居住しているところで言いますと上町断層帯は、まさに大阪の真ん中を横切っている断層帯で、地震発生確率も3%以上の“Sランク”に位置付けられている断層になります」

【関西テレビ 神崎博報道デスク】「特に奈良盆地とか、この上町断層帯は大阪市北区にある関西テレビのほぼ真下を通っています。かなり人口が多いエリアを縦断するような形で断層が走っているので、これが一旦動くと大阪市内でかなり大きな被害になることが恐れられています」

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「熊本で発生した地震と同じ程度の発生確率を持つ断層が関西にもありますので、関西でも引き続き備えていく必要があるかと思います」

■どのような備えが必要なのか

では、具体的にどのような備えが必要なのでしょうか。

【京大・巨大災害研究センター 中野元太准教授】「特に地震に対しては、住宅の耐震化をまずは見ていただくのが一番重要になります。

熊本地震でも木造の家屋中心に被害が出ています。関西でもご自身のお住まいのところで、耐震性が十分か。耐震性が十分かどうかわからなければ、地元の行政に相談すると、耐震診断ができることもあります。そういうところから始めていただくのが一番かなと思います」

阪神淡路大震災でも1階部分の倒壊による被害が多かったことを踏まえ、神崎博報道デスクも「重い瓦屋根の家屋を中心にかなりの被害が出ていた。お住まいの住宅の耐震性が大丈夫か、補強する必要があるのかどうかを含めてチェックしていただけたら」と呼びかけました。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年7月29日放送)

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