1ドル=163円台後半まで下落した“歴史的円安”を、企業のトップはどう受け止めているのでしょうか?
経団連のフォーラムで、ホンネを聞きました。
伊藤忠商事・石井敬太社長:
会社にとっては円安はプラス効果あるんですけど、日本の国力となると円安傾向というのは、本来は適正レベルまで戻さないといけない。行き過ぎなんですよね、やっぱり1ドル=160円とか歴史的なこと。本来は140円、130円目指したいところだと思う。インフレになるので金利を上げないといけない中で、金利を上げていくと経済が冷え込んじゃうので、政府がやろうとしている「強い日本をつくっていく」「経済力を回復していく」という意味では、逆方向の動きになってしまう。非常に難しいところだと思う。
ANAホールディングス・片野坂真哉会長:
きょうも39年ぶりの1ドル=163円と、つまりG7の中でも最も安い通貨になってきたと。経済力をつけて国の力を高くしていくことが基本。今回の政権の成長戦略というのは、そのポジティブなものを目指しているわけだが、そこを市場が評価しないところを理解しないといけない。やっぱり「強い円」を持って、日本人が海外に行けるような流れにしないといけない。大事なことはマーケットの信頼性を勝ち取る。政府も政策発表した時には市場に向かって語っていいのではないかと思う。
三菱UFJフィナンシャル・グループ 亀澤宏規会長:
円安為替の影響ってなかなか難しいですけど、日本経済にとってはインフレとなって輸入物価の上昇になってくるということがあり、注意が必要。我々経済界も「挑戦と自立」を掲げてやっていく、強い経済をつくりファンダメンタルズを良くしていく。このあたりをやっていくことで、為替が安定化するということなのかなと思う。
トヨタ自動車・佐藤恒治副会長:
為替については、水準に対して議論しているというよりも、特に製造業においては安定的に実体経済を反映し、推移していくことが非常に重要だと思っている。今回の「骨太の方針」が産業界に期待しているのは国際競争力を高めていくことだと思う。極めて高い生産性を実現して国際競争力を高める。こういう状態に産業界全体を持っていく必要がある。そういった取り組みを今後加速させていきたい。
