愛媛県でも過疎化や少子高齢化が進むなか、社会問題になっているのが倒壊の恐れなどがある「空き家」です。県内には14万5600戸あるとされ、空き家率は19.8%と全国平均の13.8%を大幅に上回っている状況です。新居浜市では、この空き家に投資家の資金を呼び込み、宿泊施設として再生する新たな取り組みが7月から本格的に始動しています。
新居浜市南部の角野新田町にある一軒家。モダンと和のしつらえを融合させた空間が広がる建物は、実は空き家を再生した一棟貸しの宿泊施設です。
全国空き家アドバイザー協議会 愛媛県新居浜支部・田中政守事務局長:
「空き家は今後地域になくてはならない資源になる」
空き家を宿泊施設に再生したのは、市内で不動産会社を経営する田中政守さん。全国空き家アドバイザー協議会の愛媛県新居浜支部の事務局長も務めています。
田中さんは去年5月、市内の空き家を移住者のお試し住宅としてリノベーション。民泊施設に転換したところ、これまでに国内外の250組が利用。地域とのトラブルもなかったため、7月から本格的に空き家を宿泊施設として再生する新たなプロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトでは、投資家と空き家の所有者をマッチングし、魅力を感じた投資家が宿泊施設にリノベーションするための資金を投資。投資費用をペイできれば、投資家と空き家の所有者が利益を折半しながら施設の運営を続ける仕組みです。数年で売り上げが投資金額を上回る見通しといいます。
田中事務局長:
「地域にお金も落ちますし、空き家で困っていた所有者も管理する手間が省かれるようになる。投資する先の方たちは持続可能的に収益を生み出す仕組み作りもできますので、みなさんにとって益のある事業となります」
モデルケースになった角野新田町の宿泊施設は、木造平屋建て築30年あまりで10年前から空き家に。リノベーションすることで3つの和室と広いキッチン、モダンなバス・トイレを備え、6人までが宿泊できます。
田中事務局長:
「キッチンを力入れて作りました。それと天井見ていただくと梁を見せています。カッコいい梁が残っていたので。床の間だったり神棚があることとか、普段生活する中で都会から来る方、海外から来る方にはかなり非日常な空間。だからあえて残して」
施設の利用価格は1泊で約1万9000円から2万5000円程。7月17日のオープン初日から香港の家族連れ6人が6日間宿泊していて、8月まで予約でほぼいっぱい。順調な滑り出しに空き家の所有者も喜んでいます。
空き家の所有者・徳永千恵子さん:
「(空き家は)なかなか売れなかった。壊して土地だけにしようかと考えたんですけど、田中さんから話があってすぐ乗りました。思った以上にバストイレとかすごくきれいになったので、こうしてよかった」
非常にネガティブな印象で語られることが多い空き家。しかしその中には地域の資産、宝になるようなものが眠っています。
田中事務局長は「一人でも多くの人が空き家を有効活用できると意識が変わるように、活動を加速させたい」と意気込んでいます。
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