1300年続くとされる夏の風物詩、愛知県犬山市の木曽川鵜飼の鵜匠に、34年ぶりに新たな担い手が仲間入りしました。意外な“人事異動”のようです。

■担い手不足の『救世主』 “異動希望”で鵜匠に

腰に蓑を巻き、緊張した様子の2人の男性。市長から烏帽子を受け取り、新人の鵜匠が7月8日、お披露目となりました。

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さかのぼること1週間前、犬山市の原欣伸市長から辞令を受け取った田原尚舞さん(38)と河村謙太さん(25)。新人鵜匠に名乗りをあげて選ばれた2人です。

犬山市の原市長:
「『鵜匠になりたい』という強い意志を表現してくれた。『任せたい。一緒にやっていきたい』と思いました」

江戸時代に始まった犬山の鵜飼は、全国で唯一という、昼の鵜飼が人気です。

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コロナ禍で一時は落ち込んだ集客も、その後はV字回復。以前の2万人台が見えてきましたが、今年3月までに、4人いた鵜匠のうち2人が相次いで退職。最大2艘あった舟も1艘に。

救世主を求めて、34年ぶりの募集に動きだしたのです。

犬山市観光課の課長:
「伝統漁法である鵜飼の保存継承。これからも長く続けていくために」

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そして誕生した新人鵜匠の1人、田原さんは、もともと犬山市役所の職員です。

新人鵜匠の田原さん:
「市役所の事務職とは全く異なる内容ですので、立場としては同じですけれど、業務としては転職するぐらいの勢いかなと思います」

前例のない人事異動には、こんな理由が…。

新人鵜匠の田原さん:
「年度末に、異動に関して全職員が希望の届け出を出しているんですけども」

何と5年以上前から、鵜匠職への異動を希望していました。

新人鵜匠の田原さん:
「(自宅に)猛禽類と鶏と鳩もいます。先日、ツバメが巣立ちました。生き物の良さ・奥深さは感じていて、それは木曽川鵜飼の魅力の一つでもあると思います」

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そして迎えた、8日の初仕事。新人鵜匠の田原さんは、メガネも外して気合十分です。

掃除だけではなく、先輩鵜匠の手ほどきを受け、鵜をかごの外へ。自宅でニワトリなどを飼育する鳥好きの田原さんは、慣れた手つきで優しく撫でます。

鵜飼で使う紐をほどく作業も実際にやってみますが、これには苦戦します。

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先輩鵜匠:
「慌ててやることではないんだけど、痛めたり怪我しちゃうので、そこだけ注意して」

扱うのは生き物、まだまだ練習が必要なようです。2人は先輩鵜匠のもとで技術を学び、来シーズン以降のデビューを目指します。

■全国で唯一「地方公務員」…市が鵜飼を営むワケは

「鵜飼」は全国11カ所で楽しむことができ、東海3県では木曽川鵜飼以外にも、岐阜市の長良川鵜飼、関市の小瀬鵜飼などが有名です。

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鵜飼の担い手たる「鵜匠」ですが、岐阜の鵜匠たちは「国家公務員」です。皇室へ献上するアユを獲るという仕事を担っているためです。

そのほかの地域は民間であることが多いのですが、犬山の木曽川鵜飼は今回採用された2人も含め、全国で唯一“地方公務員=市役所の職員”なんです。

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木曽川鵜飼の歴史は、犬山市によりますと、1618年に尾張藩初代藩主・徳川家直が“犬山で鵜飼を観た”という記録があります。その後、犬山城主・成瀬家が代々鵜飼を続け、一時衰退しますが、明治期に復活し、昭和初期にかけて観光地として人気となりました。

しかし、民間経営での維持が困難となり、1964年からは「市営」となりました。コロナ禍を乗り越え、今回新たに加わるこの2人が”救世主”となるのでしょうか。

東海テレビ
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