公立中学校の部活動についてです。いま部活動は大きな変化の時を迎えています。
キャスターのお二人、部活と言えばどのように行っていましたか?

これまでの部活動は顧問を教員が務め、学校単位で活動していましたが、今、国は少子化や教員の働き方改革などを受けて、地域のクラブや団体などに運営をゆだね、地域全体で支える取り組みを段階的に進めています。これを『部活動の地域展開』と呼んでいます。

国のガイドラインを受けて、熊本県では、休日に関しては2031年度までに全ての市町村で地域展開の完了を目指すとし、平日については準備が整ったところから進めていくとしています。

熊本県によりますと、昨年度までに7つの市町村で休日の活動の地域展開が完了。荒尾市以外の町や村には中学校が1校ということで、学校数が多ければ多いほど進めていく難しさがあるようです。どのように行うかなどの方法は各自治体にゆだねられていて、進み具合は様々です。

今、中学生はどのように活動をしているのか、2023年度から休日の地域展開に取り組み4年目を迎えた玉名市を取材しました。

4分30秒玉名市の岱明中学校です。取材した日は土曜日、選手たちが通っている中学校を聞いてみると・・・

「岱明中、有明中、天水中、玉名高校附属中」

この日活動していたサッカーの『有明FC』には、玉名市内4つの中学校から24人が参加しています。その内訳は一番多い有明中でも10人で、単独では試合に出ることができない人数です。

現在、玉名市では平日は『学校部活動』、休日は『地域部活動』が行われています。平日の『学校部活動』はそれぞれの中学校が運営しますが、休日の『地域部活動』の運営主体は、市教委と玉名市総合型地域スポーツクラブ『NPO法人いだてん玉名SC』です。

【玉名市 中学校部活動地域移行総括コーディネーター 吉永 一浩さん】
「学校という枠を取り払い、子どもが自分のやりたい部を選択できる、他校の部も選択できる仕組みを作った」

玉名市内には市立と県立の中学校が合わせて7校あり、今年度はサッカーやバドミントン、柔道など30の運動部が『地域部活動』として活動をしています。生徒たちに休日の『地域部活動』の感想を聞いてみると・・・

【玉名高校附属中の生徒】
「(他校に)上手な人もいて、その人たちと一緒に練習できるのでいいなと思う」

【有明中の生徒】
「先生たちの一人一人違う意見を聞けるのでいいと思う」

【岱明中の生徒】
「平日では人が少なくて限られた練習しかできないけど、休日は他の学校と一緒にいろんな練習ができるのが違う」

中には通っている中学校にサッカー部がないという生徒もいて、学校の規模による選択肢や経験の格差解消も期待できます。(天水中にはサッカー部が無い)

指導者について、玉名市では安全面などを考えて、事前に登録した人が携わることや2人以上の複数体制とすることなどを決め、報酬も支払います。(チーフ職 時給1300円など)

現在有明FCには指導者が4人います。このうち1人は市の職員として働く傍ら、外部指導者として長年にわたり、チームに携わってきた塚本さんです。

【有明FC 塚本 昭広 監督】
「(続ける理由は)サッカーが好き、子どもたちが好きというところ。選手が頑張って、結果を残したときやがむしゃらに一生懸命頑張っている時がうれしい」

また、兼職・兼業の許可を受けた教員の指導者もいます。

【岱明中の教員 古門 慎也さん】
「私自身がサッカーが好きというのと、平日の部活動にプラスして土日も試合も含めて、子どもたちの成長を見届けたい」

競技経験のない教員が顧問を務めることもあった、これまでの学校部活動ですが、専門的な知識があったり、競技経験が豊富だったりする指導者が居るという点は、魅力の一つとも言えます。

各家庭が支払う『受益者負担』は、今年度は年会費2000円と参加費1万2000円の合わせて1万4000円。これに各活動の部費がプラスされる形で、部活動ごとにバラつきがあるということです。

【玉名市 中学校部活動地域移行総括コーディネーター 吉永 一浩さん】
「これからも頑張れる場を作って生徒たちを待っていたい」

現在は運動部だけでの地域展開が進んでいますが、この夏からは吹奏楽部でも取り組みが始まる見込みです。

このように活動を進める玉名市が行った地域展開に関するアンケート結果を見てみると、中学生の満足度は80%を超えていて、活動に前向きな生徒が多いことが伺えます。

一方で保護者は56%、市によりますと、活動そのものには肯定的ですが、経済的な面と送迎面で負担が増えたと感じる人が多いということです。

これまでの部活動は基本的に自分の通う学校が練習場所でしたので、移動に関しては保護者の協力がこれまで以上に必要になりますね。

今後、平日もこの取り組みを進めていくとなると、移動面での課題はより大きくなると感じます。このように試行錯誤の中、地域展開に取り組む自治体が大半ですが、熊本市では学校の部活動を継続することに決めています。

これは、部活動の持つ教育的意義などの観点から決まったもので、今後も学校が運営する部活動の形がとられます。ただし、指導者は大きく変わります。

熊本市で行われた指導者育成プログラムの様子です。

これまでの部活動は教員中心の指導体制でしたが、今後は社会人や大学生などの市民から指導者を募ったり、兼職兼業の許可を受けた教員が参加したりするとし、報酬も支払われます。(報酬・時給1100~1600円)

熊本市が進めるこの『新しい学校部活動』は、来年9月の一斉開始を目指し、今、準備が進められていて、市としては今後もこうした機会を設けて指導者の確保に務めたい考えです。

部活動の在り方は今、大きな変化の時を迎えていますが、最も大切に考えたいのは実際に活動する中学生たちのことです。

どのようにすれば、安心安全な環境で充実した内容での活動が継続できるのか。取材を通して、生徒と家庭、行政だけでなく、私たち大人が広く関わっていく時代になっているのだと感じます。

部活動改革をめぐる公立中学校の部活動についてお伝えしました。

テレビ熊本
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