梅雨の時季、九州南部では向こう10日間も雨や曇りの日が続く予報だ。洗濯物を外に干せず、部屋干しにしてもなかなか乾かない——そんな悩みを抱える人は多いだろう。だが、「何を使うか、どう動くか」という選択次第で、この憂鬱な時季の洗濯は大きく変わるという。鹿児島市のクリーニングのプロが、梅雨を乗り切る洗濯術を伝授してくれた。
「ニオイの元にニオイをかけても根本的な解決にならない」
教えてくれたのは、鹿児島市西伊敷にある「ふたばクリーニング」の代表・栫和嗣さんだ。栫さんは、クリーニングの知識と接客に関するスペシャリストとして認定される「クリーニングアドバイザー」の資格を持つ県内で二人しかいないプロの一人。梅雨の時季に最も多く寄せられる相談は、やはり「洗濯物のニオイ」だという。

生乾き臭の原因は、長時間放置することで繁殖する「モラクセラ菌」だ。このニオイを抑えるために何を使うべきか——柔軟剤か、酸素系漂白剤か。
多くの人が「良い香りで生乾き臭を軽減できる」と期待して柔軟剤を選びがちだが、栫さんはきっぱり言う。「ニオイの元にニオイをかけても根本的な解決にならない」。正解は酸素系漂白剤だ。菌のエサとなる汚れそのものを除去することで、ニオイの発生を根本から断てる。

つけ置きと洗濯槽のひと手間が決め手
ニオイがついた洗濯物は、そのまま洗濯槽に入れて回すより「つけ置き」が効果的だ。ここでも酸素系漂白剤を使用するのがポイント。洗濯機のつけ置きモードを活用すれば手間もかからない。

すすぎが終わったら、すぐ物干し竿へ向かう前にもうひと手間がある。洗濯が終わった後の洗濯槽は濡れたままの状態で、放置するとカビやニオイの原因になる。扇風機などで風を当て、しっかり乾燥させておくことで清潔な状態を保てる。洗濯物だけでなく、洗濯機自体のケアも忘れてはならない。

部屋干しは「風の通り道」をつくる
いよいよ部屋干しの段階だ。栫さんが強調するのは「間隔」と「並べ方」である。
タオルは広げて物干し竿にかけるのではなく、ハンガーに掛けることで重なる面積を減らすのが基本だ。複数の洗濯物を並べる際は、拳一つ分ほどの間隔を空け、外側に長いもの、内側に短いものを配置すると風の通り道ができる。

「部屋干しだとギュウギュウになりやすいが、間隔を開けて風を当てるだけで乾きも早くなるしニオイの原因も抑えられる」と栫さん。風を意識した配置が、部屋干しの仕上がりを左右する。

梅雨の洗濯は、酸素系漂白剤でのつけ置き、洗濯槽の乾燥、そして部屋干しの並べ方——この三つの「選択」を変えるだけで、快適さが大きく変わる。今年の梅雨は、プロの知恵を借りて乗り切りたい。
【動画で見る▶【プロに聞く】梅雨時季の賢い洗濯法と部屋干しテクニック 生乾き臭に一工夫】

