■桂田精一被告に禁錮5年の実刑判決
桂田精一被告に実刑判決が下った。
北海道の知床沖で遊覧船が沈没した事故で、業務上過失致死の罪に問われていた桂田被告に、釧路地裁は求刑通り禁錮5年を言い渡した。
■そのとき桂田被告は
「桂田被告に禁錮5年の判決です」(八木 隆太郎 フィールドキャスター)
桂田精一被告に言い渡されたのは、禁錮5年の実刑判決。
その際、桂田被告はじっと前を向いたまま表情を変えなかった。

■知床遊覧船沈没事故とは
2022年4月、知床沖で遊覧船「KAZU I」が沈没。
乗客乗員20人が死亡し、6人が行方不明となった。

この事故で運航会社社長の桂田精一被告が、悪天候が予想された中で出航させたとして業務上過失致死の罪に問われていた。
「このたびはお騒がせして、大変申し訳ございませんでした。海が荒れるようであれば引き返す、条件付き運航を船長と打ち合わせ出航を決定した」(桂田 精一 被告)
■争点は「事故が予見できたか」 検察側は禁錮5年を求刑
裁判の最大の争点は、桂田被告が事故を予見できたかどうかだ。

検察側は事故当日に強風・波浪注意報が出ており、出航したら荒れた海で乗客が死傷する恐れを予見できたと指摘。
出航を中止すべきだったとして、法律で定められた刑の上限の禁錮5年を求刑した。
■弁護側は無罪を主張
これに対して弁護側は無罪を主張した。

事故の原因は船のデッキにあるハッチの不具合により海水が流入したことであり、桂田被告はその不具合を知らず事故を予見できなかったというのだ。
その理由として、事故の3日前に行われた船の検査で不具合が指摘されていなかったことをあげていた。
■判決では「事故は予見することができた」
判決ではハッチに不具合があったとしても、そこからの海水の流入は強風や高波の中で出航したからこそ起きたと指摘した上で、「運航基準を超える悪天候の中、出航させることは沈没など事故を予見することができ被告には過失がある」と認めた。

また、桂田被告は責任の重さを真摯に受け止めているようには見えないとして、業務上過失致死罪で最も重い部類に位置づけられると、求刑通り禁錮5年の実刑判決を言い渡した。
■過去には無罪となったケースも 専門家は「非常に重い」
今回の判決について、海難事故に詳しい専門家は。

「過去の事例では陸上と船とは違うということが理解されなくて、無罪になったことが何回かあった。それを考えた時に罪を問うのはハードルが高かったが、禁錮5年の判決は非常に重い」(神戸大学 若林 伸和 教授)
■桂田被告は「謝罪と償いを続けていく」とコメントも即日控訴
桂田被告は裁判終了後、「多くの乗客の方、船員が亡くなられたこと、また依然として行方不明の方々もおられることについては、これからも謝罪と償いを続けていく所存です」というコメントを発表した。
弁護側は判決を不服として即日控訴している。

裁判で最大の争点となったのは、桂田被告が事故を予見できたかどうかだ。

弁護側は、事故3日前の検査でハッチの不具合が指摘されなかったことから、「不具合を知らされておらず、事故を予見できなかった」と主張。
これに対し判決では、ハッチの不具合の有無にかかわらず、悪天候の中で出航させたこと自体が事故の原因であると指摘。桂田被告が出航を命じた行為に過失があると認定し、法律で定められた刑の上限である禁錮5年を言い渡した。

今回の判決について、海難事故の原因究明に詳しい神戸大学の若林伸和教授は、「過去の事例では無罪となったケースもある。実際に船を操縦していない人を罪に問うのは非常にハードルが高い中で、禁錮5年という結果は非常に重たいものだ」と分析している。
