4歳のころから、大好きな動物の絵を描き続ける、長野県原村の中学1年、堀之内聖さん。「動物を救う有名な画家になりたい」。2026年春、聖さんの夢がかなうコラボが実現しました。
■4歳から毎日描き続ける”動物の絵”
原村の中学1年、12歳の堀之内聖さん。
中学1年・堀之内聖さん:
「本当は反対の色を使いたいけど、ここも黄色だし、でも何色が合うんだろう、黄色以外に」
聖さんにとって、絵を描くことは生活の一部。4歳のころから毎日、描き続けています。
聖さんが描く絵はー。
カラフルな色づかいで描かれたオオカミ。ライオンのたてがみにはたくさんの動物が。
聖さんは、大好きな動物の絵を描いています。
2025年7月、地元の八ヶ岳美術館で開いた初めての企画展。約80点を展示しました。
堀之内聖さん(2025年7月):
「終わった後、楽しかったと言ってもらえるとうれしい。動物の素晴らしさや面白さを知ってもらいたい」
■”笑わない赤ちゃん”が恐竜と出会う
2014年、体重1608グラムと、いわゆる低出生体重児で生まれた聖さん。
その後、すくすくと成長しましたがー。
母・通子さん:
「不機嫌だった。とにかく、笑わない赤ちゃんがいるんだって」
ときに母親の服をかみちぎることも。家族も、かんしゃくが度を越えているのではと心配するほどでした。
ただ、4歳の時にー。
母・通子さん:
「運命の出会い、恐竜。頭の中は恐竜でいっぱい」
「恐竜」に出会い、絵を描くように。そこにエネルギーが注ぎ込まれ、感情の爆発は減っていったといいます。
恐竜に加え、大好きな動物の絵も描き始めました。
堀之内聖さん(小学5年当時):
「ライオン描くのが一番好き。一番好きな動物だから」
母・通子さん:
「(絵は)メモみたいな代わりなんですよね。自分で自分のことを幸せにできる知恵をつけている最中なんだろうな」
■夢は「動物を救う有名な画家」
素直に感じたままを描いた絵は、国内外でも高く評価されています。
2024年は、安曇野市の画廊で初めての「個展」を開催。
2025年は八ヶ岳美術館で、2カ月間に渡る企画展を開きました。
聖さんが絵を描く理由。そこには、「大好きな動物を救いたい」という思いがあります。
堀之内聖さん:
「絵を売ったらお金を寄付できるから、それを保護団体に寄付する。(将来の夢は)“動物を救う有名な画家”です」
■夢が実現 WWFとコラボ
聖さんは中学生になりました。
絵を描くことは、今も毎日続けています。最近はアクリル絵の具を使うように。
堀之内聖さん:
「より立体的、陰影とかがアクリル絵の具のほうがリアルに」
2026年春、聖さんにとって大きな出来事がありました。
野生動物や自然環境を守る活動を行うWWF・世界自然保護基金の公式ショップとの「コラボ」で、グッズを販売することが決まったのです。
WWF公式オンラインショップ PANDA SHOP担当・佐多成子さん:
「圧倒的な迫力というか、動物が好きではないと描けない人の作品。今の年齢から環境に関心を持って、自分ができることを探して本当に心強い存在」
■絶滅危機の3頭を楽しめるボトル
聖さんを応援する知人の紹介がきっかけでコラボが実現。
聖さんが描いたのは、絶滅の危機にひんしているアフリカゾウ、ユキヒョウ、ジャガーの3頭が1枚になった絵です。
生息地の違い、時間も朝、昼、夜と異なります。
この絵をもとに作られたボトル。1周回すと、3頭が楽しめるデザインです。
母・道子さん:
「これ(WWFのロゴが)が最高にうれしいんだよね」
堀之内聖さん:
「ずっと画面やネット上でしか見たことないものだったから、その中に自分が仲間になった」
聖さんはこれまでにも、絵の売り上げの一部を基金に寄付しており、「動物を救う」という夢がかないました。
堀之内聖さん:
「えっ本当なのって感じだったから、時間がたち分かってきたころに、“本当にしたかったことの1つができた”という喜びと」
母・通子さん:
「声がかかって夢がかなっちゃうじゃんって。夢かないすぎて実感が湧かない」
堀之内聖さん:
「幸せなことだ」
WWF公式オンラインショップ PANDA SHOP担当・佐多成子さん:
「すてきな絵を私たちのためだけに描き下ろしてくれて、純粋な思いで応援してくれる人が近くにいるのが心強くて背中を押されるような思い。聖さんの夢におこがましくもお手伝いができたのかなって思うとすごくうれしい」
■新たな挑戦 5mの「絵巻」
聖さんは今、新たな作品に挑戦しています。長さが5メートルにもなる「絵巻」です。
1作目はすでに絶滅した動物を、「恐竜」からさかのぼって描きました。
堀之内聖さん:
「この子たちが次の世代にバトンを渡したように続いて進化して、今の場所にいたっている。それを含めて一緒に生きていた、生きていると捉えたいと。(絶滅を)ネガティブなことに(焦点を)当てず、明るくフォーカスしたいなって」
そして今、2作目の絵巻を制作中。
これらの作品は、7月、山梨県の美術館で始まる展示会で飾られる予定です。
■絵と音楽の融合「美術から芸術に」
「動物を救いたい」。
夢に向かって歩みを続ける聖さん。その頭の中には新たな構想がー。
堀之内聖さん:
「自分の描いた絵に、環境音やBGMを付けられたらなって」
母・通子さん:
「全体的にプロデュースしたいらしい、頭の中に描いているものを」
絵と音楽の融合です。ピアノは絵と同じく「独学」です。
堀之内聖さん:
「絵は本当の自分になっている感じ、音楽は自由になった感じ。今まで美術だけだったけど、“芸術”に広げたい」
堀之内通子さん:
「すごく忙しいですよ。(学校から)帰ってから、あっち行ってピアノ弾いてドラムたたいて、絵描いてまたやって、私は忙しいねって」
好きなことに夢中で取り組む聖さん。その根底にあるのは変わらない「夢」です。
堀之内聖さん:
「変わらず、“動物を救う有名な画家”になりたい」
