山菜採りシーズン真っ盛りのいま、各地で遭難する人が急増しています。

長野県警山岳遭難救助隊がSNSで公開した動画には、山で遭難した男性とのやりとりがありました。

救助隊:
けがはないですか?

遭難者:
はい。ただ一日やってて、こんな(斜面が急な)ところに出たもんだから、ちょっと足が…。

救助隊:
うん、歩ける?

遭難者:
歩けると思います。

救助隊:
転んだりしてないですね?

遭難者:
だと思います。

遭難したのは“山菜採り名人”だという男性で、救助にあたり隊員が山菜を置いていくように説得していました。

救助隊:
これ(山菜)持っていけないからね、これ置いていくからね。

遭難者:
わーお!これだけだめかい?

救助隊:
これダメ!こんなの持ってけない。

遭難者:
あした…きょう家族にやらなきゃ(配らなきゃ)いけないんだ。

救助隊:
ダメ!持っていく余裕ないからね。

男性がこだわっていたのは、自身が山で採ったネマガリダケ。
ネマガリダケを置いていくよう説得する隊員に、男性は必死に抵抗します。

救助隊:
これ(ネマガリダケ)置いてって、置いてって?悪いけど持ってけないもんで。

遭難者:
うーん…なんでそんなにダメになっちゃうんだい?重いということか?

救助隊:
(空中で)落ちちゃうもんでダメ!(危ないから)。救助されてるという立場もちょっと考えてもらっていい?

遭難者:
はい、もう2度目だからもう…。

救助隊:
2度目なら、なおさらだよ。

遭難者:
はっはっは。

男性は、無事ヘリコプターで救助されました。

警察庁によりますと、山に山菜採りに行って遭難する人は年間300人以上に上っています。
各地で梅雨入りする中、山菜採りで山に入る時には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

取材班が向かったのは、自然豊かな東京・奥多摩町です。

このエリアで救助活動などを行っているのは、元東京消防庁山岳救助隊の松村和大さん。
この時期、山に入る際には欠かせないものがあるといいます。

ORANGE BEAR・松村和大代表取締役:
山に入るのでいつも通り鈴と爆竹を持って…。

奥多摩町の山中では実際に人身被害が出ているため、松村さんはクマよけの鈴を携帯し爆竹を鳴らしてから山に入ります。

取材した日に点検に向かったのは、自らが所有する山の奥のワサビ田。
車に乗って向かい、途中からは山の斜面を走る専用のモノレールを使って移動します。

山の斜面にある狭い沢で栽培されるワサビの周辺には、茎の部分が食べられる山菜「ミズ」がありました。

松村さんによると、特に梅雨の時期はぬれた草や倒木で滑って転ぶ危険があるため、登山靴を履くなど山登り用の装備を用意したほうがいいといいます。

山中ではクマの痕跡も見つかりました。

ORANGE BEAR・松村和大代表取締役:
今年ではないが、クマが剥いだ木の皮です。これを“クマ剥ぎ”といいます。

クマが爪や牙で木の皮を剥いだ跡は“危険のサイン”です。
クマ剥ぎを見つけた場合は、速やかにその場を離れてください。

奥多摩町で救助活動などを行う松村さんは、「山菜採りをやっていると、人間は欲がありますから、あとちょっと歩けば採れるのではないかと、だんだん登山道を外れてしまう。(登山道を)5メートル外れてしまっても気づかない。元の登山道に戻りづらい」といい、山中で山菜採りに夢中になりすぎるのは危険だと指摘します。

山菜採りで山に入る際には、私有地など立ち入りが禁止されているエリアもあるため、そうした点にも注意が必要です。

長野放送
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