南海トラフ地震について愛知県が12年ぶりに被害予測を見直し、最悪の想定では死者が約2万7000人などと公表しました。被害を抑えるための対策も進められていますが、課題も残されています。

■日光川流域の死者予測390人→0人に それでも残る課題

大村愛知県知事:
「南海トラフ地震の発生により、多くの建物被害や死者の発生など、甚大な被害が見込まれるという結果となりました」

 大村知事がこう話したのは、愛知県独自で試算した南海トラフ地震の被害予測。1000年に1度とされるマグニチュード9を超える地震が発生した場合、県内の広い範囲で震度6強以上に。死者は約2万7000人、全壊の建物は約36万7000棟。

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巨大地震から被害を減らすため、県内でも対策が進められています。

愛知県海部建設事務所の担当者:
「雨が降った時に川の水を出す機能と、海の水、高潮と津波が陸側に入らないようにする。この2つの機能を持っています」

日光川の河口、飛島村にある日光川水閘門。幅20m・高さ約9mの4つある水門の役割の一つが津波の遡上防止です。

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(リポート)
「日光川沿いの海抜0m地帯では2階建ての住宅が多く、堤防よりも高さが低くなっているところがほとんどです」

飛島村や弥富市など、日光川の河口流域は海抜0m地帯です。津波が川を遡上し堤防を乗り越えてしまうと、水が際限なく流れ込むため、被害が甚大なものになります。

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それを防ぐために、8年前に完成したのが現在の日光川水閘門です。前回の被害予測では、過去最大規模・マグニチュード8.9の地震で390人とされた日光川流域の想定死者数が、水閘門の完成や堤防の整備により、今回はゼロとなりました。

しかし、より大きいマグニチュード9を超える地震の場合、日光川水閘門は壊れ、死者は4200人に及ぶ想定に…。

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愛知県海部建設事務所の担当者:
「理論上最大というのは、われわれの設計している地震の強さよりもかなり上をいきますので、もう壊れているという前提でシミュレーションがされていると思います。設計する地震の強さは決めていますので、それ以上大きなものに対応するようには設計していないものですから、実際にどうなるかは分からない」

■災害関連死は最大8400人…避難所の改善も必要

ハードに頼る防災対策の限界。災害が起きた後にも課題は残されていて、それが「災害関連死」です。

避難生活の中で命を落とす災害関連死について、今回初めて試算され、最大で約8400人と判明しました。

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災害関連死を防ぐには避難所の環境改善が必要ですが、現在、政府の指針では一人当たりのスペースを3.5平方メートルとしていますが、名古屋市を含む多くの自治体ではこれを確保できていません。

名古屋市中川区の指定避難所を訪れました。

名古屋市地域防災課の担当者:
「例えば、隅っこで1人世帯で2平方メートル作った場合、だいたいこれが2平方メートルになります」

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さらに、この避難所で備蓄品を保管する場所に案内してもらうと…。

名古屋市地域防災課の担当者:
「備蓄するスペースがないというのが最大の問題、悩みどころかなと思います」

例えば、避難所生活でのストレスを減らすパーティションや簡易ベッドは、市の方針で1避難所あたりわずか3つのみ。避難先の生活を充実させようにも、スペースの確保が難しく、厳しいのが現状です。

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名古屋市地域防災課の担当者:
「大変危機感を強くもっていまして、待ったなしの状況ではあります」

今回の被害予測では、最悪の想定では死者約2万7000人ですが、地震直後に多くの住民が避難した場合は、津波や浸水による死者は大幅に減り、死者全体は約1万8000人となります。

被害予測の取りまとめに関わった名古屋大学の福和伸夫名誉教授は「震災時は行政のサポートは不足する」として、津波には率先して逃げる・自分で住宅を耐震化するなど、「行政に頼るだけでなく、自らの命は自ら守る意識」を持つよう警鐘を鳴らします。

東海テレビ
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