浜松市中央区で高齢女性の運転する車がスロープの壁に衝突し、同乗していた男児が意識不明の重体となる事故があった。女性は法律で義務付けられているチャイルドシートを使用させていなかったと見られている。
チャイルドシートを設置も…
浜松市中央区にあるショッピングセンターでは5月26日夕方、高齢女性(70)の運転する軽自動車が立体駐車場のスロープを下っていた際、壁に衝突し、後部座席に乗っていた男児(5)が意識不明の重体となっている。
これまでに事故の原因はわかっていないが、警察によると車にはチャイルドシートが設置されていたが、男児に使用させていなかった可能性が高いという。
義務化の中で2割が使用せず
道路交通法では「自動車の運転者は幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない」と規定されていて、運転者が6歳未満の幼児を自動車に乗車させる際はチャイルドシートの使用が義務付けられている。

ただ、JAF=日本自動車連盟と警察庁が2025年に実施した全国調査によると、6歳未満のチャイルドシート使用率は82.4%。
2015年が62.7%だったことを考えると10年で約20ポイント改善しているが、それでも約2割がチャイルドシートを使用していないのが実情だ。
不使用は致死率5倍超
チャイルドシートを使用せずに乗車していると、事故だけでなく、突発的な急ブレーキなどの際、シート部分の金具に頭をぶつけたり、座席の下に転げ落ちたりと様々な危険をはらんでいて、最悪の場合は車外に投げ出される可能性もある。
また、チャイルドシートを使っていても、間違った取り付け方をしている人は約3割、間違った座らせ方をしている人は約4割に上る。
公益財団法人 交通事故総合分析センターのまとめでは、子供たちの死因は病気を含むすべての死因の中で不慮の事故(外部からの作用で発生した予測不可能で突発的な事故)が上位になっていて、不慮の事故のうち0歳児こそ交通事故が3位だが、1歳~4歳、5歳~9歳、10歳~14歳はいずれも交通事故が1位となっている。
警察庁によれば、チャイルドシートを使用していなかった場合の致死率は0.56%で、適正に使用していた場合の0.11%と比べると約5.3倍だ。
「ちょっとだけ」が命取り 大人の責任を
このため、警察は「子供の成長にあわせて体格に合ったチャイルドシートを使用すること」「なるべく後部座席で使用すること」「確実に座席へ固定すること」「やむを得ず助手席に設置する場合は座席をできるだけ後ろに下げ、前向きに固定すること」を呼びかけている。
「ちょっと近くに行くだけだから…」
「雨が降っているから…」
ただ、取り返しのつかないことが起こってから後悔しても遅い。
尊い命を守ることができるのは大人だけだ。
