瀬戸内海の島で小中学生たちが自然やアート作品と触れ合いながら、生成AI時代に必要な自ら考え続ける力を学ぶ、新たな取り組みが行われていました。
瀬戸内海に浮かぶアートの島、香川・直島町の直島。
やってきた子どもたちの目的は、美しい自然やアートの中で“問い”を見つけること。
ビジネスパーソンにとってもヒントになる、生成AI時代に求められる“正解のない問い”に向き合うリアルな学びとは。
多くの芸術作品が街に点在する直島。
この島を起点に大手教育企業ベネッセが企画したのが「問いの島」キャンプと題した2日間のプログラムです。
青森県から大分県まで全国から7人の小・中学生が集まりました。
キャンプのテーマは“生成AI時代に必要な思考力”。
早速、島内にあるベネッセハウスミュージアムに到着し、一つの作品を前に行われたのが“対話型鑑賞”です。
さまざまな形状の木を並べ円になっている作品。
これを見て、どんなことを思うか問われると…。
中学2年生:
気づいたことは、何本か木に釘が刺さってました。
ファシリテータ-:
木に刺さってる釘に気づいた。抜きたいなと思った?刺さっているのがカッコいい…どんな感じ?
中学2年生:
どこから持ってきたのかな?と。
ファシリテータ-:
この木自体をどこから持ってきたか気になった…いいですね。
子どもの自由な発想にファシリテーターが問いを与えることで生まれる“正解のない問いと対話”。
さらに、新たな問いも生まれました。
小学6年生:
なぜ、どういう意図で丸くいろんな木を使って、この作品を作ったのか。
ファシリテータ-:
作った人がどんな思いで丸く木を並べたのか気になった。作った人はどんな人なんだろう?
小学6年生:
男の人かなぁ。
ファシリテータ-:
男の人とつながるところは何があった?
小学6年生:
(木の)重い感じが…重労働的な。
子どもたちは、一つの作品について一人一人が感じた“見方”や“価値観の違い”に触れ合うことで多面的に物事を捉えるように。
大分県から参加した中学2年生は「みんなの意見を聞いたときに、こういう考えもあって、こういう感性を持っている人がいると知れたのが一番の学び」と話していました。
その後、直島の隣にある豊島(香川・土庄町)に移動すると、地元の住民たちと食事をしながら話を交わし、かつて産業廃棄物の大規模な不法投棄事件が起きた現場跡地では“再生までの道のり”を島民から学びました。
大阪府から参加した小学6年生:
普段の学校では、いろいろ計算とかするけど、今回は自分なりに考えることが難しかった。
生成AIで正解が分かる時代だからこそ求められる“問い”を持つ力と“考え続ける”力。
2日間を通じ、宿泊施設には子どもたちがキャンプを通じて感じた「なぜ?」から始まる“問い”の付箋がボードに埋め尽くされていました。
自身が得た気付きや問いを言語化。
発表する場面で、大阪府から参加した小学6年生は「私は“当たり前”の存在について考えました。身近なことを改めて考えてみると、自分の知らなかった新しい発見が見つかるかもしれません。私は今後、当たり前の存在について、時々深く考えていこうかなと思いました」と話していました。
自然・アート・社会課題への挑戦と再生が共存する、学びの島で養う本質的で豊かな人の生き方。
大人にとっても、これからの社会を生きるための生きる力やウェルビーイングにもつながるのではと言います。
ベネッセ教育総合研究所・庄子寛之主席研究員:
生成AIが何でも答えが出せる時代だからこそ、行った気とかやった気にならず、実際に手を動かしてみる、場所に行ってみる、いろんな人たちと触れ合うことで、気づくものがある。生きていくこと自体が、そもそも楽しいということに改めて大人の人たちも気づいたり、“問いを考える”ということをやっていただくことがとても大事。