シリーズでお伝えしている富山県水墨美術館の企画展「日本画とらべる」の見どころ紹介します。今回は日本画の新たな可能性を切り拓いた画家・横山大観(よこやまたいかん)そして菱田春草(ひしだしゅんそう)についてお伝えします。

横山大観は、1906年岡倉天心の招きで現在の茨城県北茨城市・五浦に移住して創作活動を始め、日本画の新たな可能性を切り拓きます。

*茨城県近代美術館 中田智則企画課長
「横山大観の「流燈」は、五浦(茨城県)の地で描かれたと言われています。横山大観と春草はインドに渡って、インドの風物に触れて帰ってきます。その時の印象を描いたのが流燈になります。当初、文部省美術展覧会に出品するために大きな作品で描くつもりだったが失敗してしまう。制作に失敗して大きな絵絹をきらしてしまい、仕方なく通常のサイズで描いた。展覧会出品作にしては小ぶりなサイズになっている、五浦で描かれたゆえの大きさだといえる」

さらに大観は、五浦周辺の風景にも目を向けます。

「筑波山」、そして「鹿島神宮」。茨城の名所を描いた作品です。

*茨城県近代美術館 中田智則企画課長
「昭和天皇の即位を祝う催しがありまして、その時に茨城県が大観に依頼して皇室に献上した作品。茨城県を代表する聖地を選んで描いている。日月、要はおひさまとお月様を選んで対幅にしているというのもそういった表れかと思います。非常に神々しい作品になっている」

一方、大観と同じ時代に活躍した菱田春草も多くの名作を残しています。

*茨城県近代美術館 中田智則企画課長
「地面を描かずに落ち葉を散らすことで地面の存在を感じさせる、奥行きを非常に重視する、奥に広がっている空気感で雑木林の奥行きを表現している」

*茨城県近代美術館 荒屋鋪透館長
「西洋化というか、外国の文化を取り入れることが出てきた時代。その時代に伝統的な日本画がどう生き延びていくか真剣に考えた人たち。そこを意識して”とらべる”してほしい」

茨城の自然の中で生まれた新たな日本画の表現。今でも秘められた魅力を放っています。

富山テレビ
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