アナウンサーが県内各地をリポートするアナリポ。1日は吉冨さんです。

【吉冨】
よろしくお願いします。
今回は唐津市に行ってきました。
唐津と言えば「呼子のイカ」が有名ですが、ウニも非常においしいんです。
皆さん知っていましたか?
しかし、そのウニが今ピンチを迎えています。
唐津の海で何が起きているのか、取材しました。

黄金色の艶やかなウニ。
【吉冨綾花リポーター】
「獲れたてのウニ、いただきます。すごく濃厚でふんわりと磯の香りが鼻に抜けて美味しいです」

青い海が広がる玄海地区。
昔からウニ漁が盛んな地域で、173人の漁師が素潜りで漁をしています。
水揚げされるのは、ムラサキウニやアカウニなど3種類。
東京・築地や海外にも出荷されています。

【高島の海士漁師 野ざき洋一さん】
「漁師からしたら生活の糧ですからね。唯一じゃないけど、まあ結構な収入源にはなるですからね」
【高島の海士漁師 野ざき信昭さん】
「時期的なものなんで、皆やっぱり島民は楽しみにしているところがあるので・・・」

そんな唐津のウニがピンチを迎えています。

【高島の海士漁師 野ざき信昭さん】
「身入りが悪くて色も悪いんですよね、入ってても。そういうのが増えてきたんで」

背景にあるのが、「海の環境の変化」です。

【吉冨綾花リポーター】
「ウニにとっては海藻があればあるほど暮らしやすいということですが、海を見てみると色の濃い部分、海藻が多くある部分がある一方で、白く岩肌が目立つ部分もあります」

白っぽく見えるのは、海藻がなくなる「磯焼け」です。
原因のひとつが、同じウニの仲間「ガンガゼ」の大量発生。
毒を持つ長いとげを持ち身入りが少なく味も薄いため食用には適しません。
さらに、ガンガゼは食欲旺盛。
海藻への食害が「磯焼け」を引き起こしています。
地球温暖化の影響もあり、県内の「藻場」は10年間で約半分になったといいます。

【高島の海士漁師 野ざき信昭さん】
「素潜りで泳ぎにくいくらい生えていたんで昔と比べたら全然海の中が違います」

玄海地区のウニの漁獲量は、約35年前は年間200トン余りでしたが2024年には15トンと10%以下に激減しました。

【高島の海士漁師 野ざき洋一さん】
「先が見えない状態でしたね。とっても身がもう入ってないんで、製品にならない状態。まあ地元でどうにかしようっていう動きがあったとですけど、やっぱもう漁師さんが少ないからですね、4、5人でしよっても全然間に合わん状況だったんで」

そこで県と海士漁師が手を組み結成したのが「ガンガゼバスターズ」。
玄海地区の「海士漁師」が集まりガンガゼの駆除に出向きます。
素潜りではなく潜水機を使うことで駆除スピードは1時間に600個。
昨年度は1年間で実に86万個を駆除しました。
そしてこの日は今年度初めての活動です。

【海士漁師 袈裟丸彰蔵さん】
「きょうが初めてということで、安全に、約1000個を目安にがんばっていこうと思っています」

2~3メートル潜ると岩の陰に隠れているガンガゼが。
とげには毒があるため専用の道具でかきだしその場でつぶしていきます。
周りを見渡すと白い岩肌が見えていて、海藻はほとんどありません。
「磯焼け」を起こした場所で再び豊かな「藻場」を作るには、その場所にいるガンガゼや痩せたウニを一度全て駆除する必要があり、数年単位の時間がかかります。
昨年度、県も2800万円を補助して活動を支援しています。

【佐賀県玄海水産振興センター 江口勝久副所長】
「当初よりはかなり良くなってきている部分もあるんですけど、全体でみると玄海地区の藻場っていうのはかなり減ってもいますし、この取り組みを継続もしくは拡大しながらもっとより良くなるように行政としても、県としても支えていきたい」

活動の効果も少しずつ現れています。
こちらは約1年前の写真。
そして、こちらは4月同じ場所で撮影した写真。
黒く見えている部分は全て海藻で、その増え方は一目瞭然です。
そんな今年のウニの味や身入りは・・・?

【海士漁師 野ざき洋一さん】
「大変よろしいです。磯枯れして身が入っていない状態だったんですけど、今年はあの、藻場が再生してからですね。はい、餌が豊富にあるから、身がたくさん入ってます」

甘く、濃厚な味わいの唐津のウニ。
関係者は、漁獲量を増やし多くの人にウニを届けたいと話します。

【海士漁師 袈裟丸彰蔵さん】
「身入りが多いウニが多くなれば、一般の家庭にも届くようになるのかなっていうのを願ってます。自然界とうまく付き合っていかないといけないと思っているので、これからの漁業っていうのはやっぱり守る漁業をしていかないといけないのかなってちょっと思ってます」

【キャスター】
唐津のウニは海士漁師たちによって守られてきたものだったんですね。

【吉冨】
取材をしていて「今だけ・自分だけ良ければいい」ではなくて「これから先の環境のことも考えていかなくてはいけない」と話されていたのが印象的でした。
そしてその唐津・玄海地区で獲れたウニをスタジオにご用意しています!
ぜひ味わってみてください。
私も取材でいただきましたが濃厚で美味しいですよね・・・。
ムラサキウニの旬は5月末まで、5月3日には唐津市七ツ釜で旬のムラサキウニを楽しめるイベントも予定されています。
多くの人の協力で守られてきた唐津のウニ、ぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。以上、アナリポでした。

サガテレビ
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