幻想的な“彫刻切り絵”の作品

世の中にはさまざまなアート作品があふれている。編集部でも以前、大学生が作った竹林に出現した“顔アート”などを紹介してきたが、今回は、全て紙で作られた幻想的な“彫刻作品”が凄いと話題になっている。

(参考記事:竹林に出現した“顔アート”が不気味…作者は美大生 コロナ禍で生まれた作品だった

紙を切って重ねてる作品です。 光りを当てたバージョン集め!

これらの作品は投稿者で石職人として活動している輿石孝志さんが制作したもので、全て紙を重ねてできている。光が差し込み色鮮やかなものから球体のようなものまであるが、全て紙でできているとは思えないほどの立体感と美しさだ。

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作り方は、まずレーザーカッターで形を作り、そして手作業で紙を重ねていくというもの。厚さや構造によって制作期間は異なるが、紙が20枚の構造で約1日、100枚を超える作品だと1カ月くらいかかるとのことだ。

投稿には「紙!?切り絵…マジ?ってなりました」「球体の切り絵すごいですね。切ってから丸めてるのか、もともと球を切ったのか、作り方が想像できません」などのコメントが寄せられている。

紙で作られたとは思えない見応えのある作品が多いが、なにかコンセプトはあるのか。また、なぜこのような紙の彫刻を作り始めたのか。輿石孝志さんにお話を伺った。

ドライフラワーを貼り、切り絵を上から被せた虎の作品

コンセプトはイスラム幾何学やゴシック建築

ーー投稿した作品のコンセプトを教えて

全体的なコンセプトとしては、イスラム幾何学からゴシック建築、和柄などの幾何学を織り交ぜながら、影や光も色彩と考えて構築し、視覚の錯覚も考慮しながら制作しています。


ーー投稿には光があたりさまざまな色が出ている作品もある。どのような仕組み?

薄めの色紙をカットしてただ重ねたり、紙の間に樹脂フィルムを挟む事により淡い色彩を表現しています。

ーー紙は1作品につき何枚くらい使っている?

厚い作品は大体120枚前後のが多いです。主に公募展出展用の為に制作します。 小さい作品は20枚〜30枚が中心になります。


ーー紙はどのような物を使っているの?

「マーメイド紙350kg」を中心に、最近ではカラーバリエーションのあるドイツ製の紙も使います。

きっかけは友人からの依頼

ーー彫刻切り絵を始めるようになったきっかけは?

友達に依頼された物を試行錯誤してた時に、重ねたグラデーションの様なデザインを、色ではなく奥行きの印影で表現し始めたのが始まりです。


ーー作り始めてどれくらい?これまで何作品くらい制作している?

重ねるというだけの縛りに本格的にしてからは5、6年で、普通の切り絵に関しては10年位やってました。 普通の切り絵からだとちゃんとした作品にしたのは40作ぐらいで、ボツ(未完)にしたのはその3倍はあると思います。


ーーお気に入りの作品を教えて

「レクレイムの先に」という作品です。当時大聖堂が火事になり、薔薇窓をモチーフに、自分なりの解釈と意味を載せてデザインしました。時間は掛かれど、復活する方向性に迷いなど無く、今まで以上に…と願いのような思いで作りました。 あと、アニメやSF物のダークヒーローも好きなので、その影響も見え隠れしています。

お気に入りの「レクレイムの先に」
「レクレイムの先に」をアップで見ると細部へのこだわりが分かる

ーー普段は石職人をしているということだが、紙彫刻と石彫刻の難しさはどこにある?

紙も石も種類によって性格があるので、どちらも質を知る事が大切ですので、種類の数だけ学ばされます。 素材は違えど、難しさは変わらないと思っています。 単純に石は重いので疲れるというのがありますが。石も紙も素材を活かす事を心掛けています。

イスラム幾何学やゴシック建築をコンセプトにしている輿石さんの作品。紙それぞれの質感を知り、素材を活かすことを心がけていることから、このような美しい作品となるのだろう。輿石さんの今後の活躍にも注目だ。

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