育児をしていると、病院に行くほどではないけれど「これで大丈夫かな?」と不安になる瞬間が多く訪れる。そんな"ちょっとした悩み"を、自宅にいながらスマートフォン1台で専門家に気軽に相談できるサービスが、富山県内でも広がっている。24時間365日、無料で使えるオンライン育児相談だ。

「何をしても泣き止まない」 2人目でも尽きない育児の悩み


生後4ヶ月の菜心(なこ)ちゃんのママ・綾夏さんは、2人目の子育て中だ。「日中、夜とかよく寝るし比較的お利口さんではあるんですけど…」と話す綾夏さんにも、日々悩みは尽きない。
特に困っていたのが、夕方の泣き止まない時間帯だった。

「夕方5時くらいから7時くらいにかけて何をしても泣き止まなくって、夕方になるのが怖いというかどうしようっていうのがある」

そんな綾夏さんが利用したのが、助産師へのオンライン相談だ。画面の向こうで応じたのは、3人の子どもを持つ助産師歴18年のベテラン、太田愛さん。「何をしても泣き止まない時期が赤ちゃんにはあるって言われているので、5ヶ月くらいになってくるとだんだん収まってくると言われているので」と、落ち着いた口調で寄り添った。
首座り、うつ伏せ練習、一緒にできる遊び… 約10分で悩みを次々と解決

この日の相談は、夕方の泣き止まない問題にとどまらなかった。首座りの状態、うつ伏せのトレーニング方法、子どもと一緒にできる遊びなど、育児中に気になる"ちょっとした疑問"を次々と相談し、約10分の1対1の会話で解決していった。

相談を終えた綾夏さんは「率直な感想、すごいよかったです」「こうしたらいいんだとわかるようになったのでよかった」と振り返り、「なんかうるうるしてきた…」と、安堵で涙をにじませた。
県内の登録者は2588人 利用者の97.1%が継続を希望


このオンライン相談サービスを運営するのは、東京に本社を構える「キッズパブリック」。全国の自治体と連携して提供しており、サービスが始まった2022年5月から利用者は増え続けている。富山県内の登録者数は2588人(2026年3月19日現在)に上り、利用者のうち97.1%が継続利用を希望している。「何かあった時に相談できる安心感が得られる」という声も寄せられている。

相談者の半数が0歳児の赤ちゃんの親で、最も多い相談内容は「育児相談」、次いで「風邪などの相談」、そして「肌荒れに関する相談」となっている。
24時間365日・無料 医療機関が閉まる夜間や休日も対応

サービスには助産師のほか、小児科医・産婦人科医も在籍しており、24時間365日無料で相談できる。LINEやメール、電話、ビデオ通話など相談方法も自由に選べ、現在は全国238の市区町村で利用が進んでいる。

医療機関が閉まっている夜間や休日でも相談できる点は、特に子育て中の親から支持されている。
「病院で待ってるだけでは届かない不安がある」 代表医師が語るサービスの原点
サービスを立ち上げたキッズパブリック代表小児科医の橋本直也さんは、こう語る。

「病院で待ってるだけだと届かない不安や孤立があるというその現実を、なんとか解消したく、皆さん1人1人の手のひらのスマートフォンに接点を持てると、全国どこにお住まいでも等しくサービスを届けることができると思った」


相談が増えている背景には、情報過多で判断が難しくなっていることに加え、デジタルネイティブ世代が親となり、オンラインが自然な選択肢になっていることがある。橋本さんは「対面とか電話だとちょっと本音を言いにくい方もいらっしゃるんじゃないか。オンラインでスマホでチャットだったり、テキストベースでのコミュニケーションの方がやりやすいという方が増えている印象も感じてます」と話す。
子ども自身が相談できるサービスへの拡充も視野に

太田助産師は、オンライン相談のやりがいをこう表現する。「初めて自分の悩みを言葉にしてみてよかった、また今日から頑張っていきますと、保護者の方のこの表情が和らぐ瞬間とかが見え…本当に相談して良かったですって笑顔で帰っていっていただける、あの様子を見れるのはとてもやりがいを感じるかなと思います」
橋本代表は今後、子育て中の親だけでなく、スマートフォンを触ることができる年齢の子ども自らが相談できるサービスへの拡充も図っていきたいとしている。

ちょっとした不安でも、すぐに専門家に相談できる環境が整いつつある。利用は「富山県 オンライン小児医療相談」で検索を。
(富山テレビ放送)
