4月から自転車も「青切符」の対象に
春の訪れとともに新生活がスタートし、通勤や通学で自転車を利用し始める人が増加する季節を迎えた。手軽で便利な移動手段である一方、2026年4月からは自転車の交通ルールが厳罰化される点に注意が必要である。これまで自動車やオートバイに適用されていた反則金制度が、自転車の違反行為に対しても適用されることになったのだ。
具体的にどのような行為が違反となり、反則金の対象となるのか。高知県警が実施したデモンストレーションの実例と直近のデータなどを交えながら、新しいルールの詳細を確認していく。
事故の背景にある自転車のルール違反
歩行者のすぐそばをスピードを出して走り抜ける自転車の姿は、日常的に見かける光景かもしれない。しかし、歩行者と衝突しそうになるこのような運転は、歩行者の通行妨害として明確な交通違反に該当する。
高知県警交通企画課の濱川昌也次長は、「県内の人身事故を見ますと、自転車が関係する事故では自転車側の8~9割に何らかの違反が認められています」と指摘している。この事態に対応するため、県警は4月からの厳罰化を見据え、どのような運転が交通違反にあたるのかを周知するデモンストレーションを実施した。
「指導警告票」から「青切符」による反則金へ
これまで、自転車で交通違反をした場合、罰金が伴わない「指導警告票」が渡されていた。しかし、今回のルール改定により16歳以上の違反者に対しては「青切符」が交付されることになる。これは自動車の運転時と同様に、期日までに反則金を納付しなければならないという厳格な措置である。
具体的な反則金の額についても規定されている。 例えば、信号無視をした場合は6000円。 スマートフォンなどの画面を見ながら運転する「ながら運転」は1万2000円。 2台以上の自転車が横に並んで走る「並進走行」は3000円となっている。
摘発件数が多い「並進走行」と「一時不停止」
高知県警のデータによると、県警が2025年に指導した約1万6000件の違反のうち、約5100件と最多を占めたのが「並進走行」である。
この違反は中学生や高校生に多く見られる傾向がある。複数人で横に広がって走る行為は、他の車両や歩行者の通行を妨げるだけでなく、自身を大きな危険に晒す行為である。
さらに、並進走行に次いで多い違反が、指定場所における「一時不停止」である。「とまれ」の標識がある交差点では、自動車だけでなく自転車も一時停止する義務がある。
この一時不停止の反則金は5000円に設定されている。見通しの悪い交差点での出会い頭の事故を防ぐためにも、標識のある場所では確実に停止し、安全確認を行う必要がある。
ルールの再確認が事故を防ぐ第一歩
濱川次長は、「(自転車の)個々の違反についてどのような行為が違反になる、青切符の対象になるのかということをもっと詳しく知っていただく必要があると考えています」と語り、利用者に対するルールの周知徹底を課題として挙げている。
自転車は免許不要で乗れる乗り物であるが、道路交通法上は「軽車両」に分類される。詳細なルールについては県警のホームページ等でも確認が可能だ。制度の厳罰化を機に交通ルールを改めて把握し、安全な自転車の利用を徹底していくことが求められている。