サッカーワールドカップ開幕まで、100日を切りました。
広島から代表入りが期待されるのが、4日夜の試合も好セーブみせた大迫敬介選手です。
W杯にかける思いに迫りました。

フォワードの選手が悔しがるのを見るのが好き

【岡野 唯 アナウンサー】
「選ばれる自信は?」

【GK 大迫 敬介 選手】
「こればかりは分からない。自分次第だと思っているので、いろんな誘惑だったり、ぶれそうなときもありますけど、自分のなりたいものだったり、夢を忘れないようにして、信じてやり続けるしかない」

【岡野アナ】
「誘惑があるんですか?」

【大迫選手】
「疲れた時には甘いもの食べたくなったり、いろんな誘惑があるので。でも、こうやって、うまく目を背けてやって・・・(笑)」

正確な長い距離のパス・ロングフィードに、驚異的な防御力。
広島一筋10年目、26歳の大迫敬介選手です。
堅守を誇るサンフレッチェの最後の砦として、数々のピンチを救ってきました。

【大迫選手】
「止めるのが楽しかったですね。止めて、フォワードの選手が悔しがるのを見るのが好きでしたね。今もそうなんですけど(笑)パワーはあると思います。プレーのパワーもそうですし、キックのパワーだったりは武器だと思いますね」

19歳でA代表に

ユース出身の大迫選手が、W杯を意識するようになったのは、プロの世界に入ってから。
数多くの世代別の代表選出を経て、19歳で初のA代表サムライブルー入りを果たしました。

【岡野アナ】「デビューがチリ戦。覚えていますか?」

【大迫選手】「覚えています」

【岡野アナ】「4失点」

【大迫選手】
「もう絶望でした…。日本で南米のチームとやるのと、南米で南米のチームとやるのは全然違うなと思ったし。でもあれを19歳で経験できたからこそ、もう一回やらないといけないというスイッチが入りましたね」

2年後の東京オリンピックでも代表メンバーに。
しかし、出場機会はなく…。
ピッチに立てなかった悔しさよりも、サポーターへの思いが募ったといいます。

【大迫選手】
「オリンピック始まるまでは、(試合に)出る僕を応援してくれていると思っていたんですけど、(試合に)出られずに帰ってきたときの、励ましてくれる人たちの優しさ。(試合に)出て、ここに帰ってきたかったなっていう思いがすごくあったので。このW杯でいい意味で見返してあげたいなっていう思いがありますね。だからこそ、このW杯に選ばれるだけでなく、そこでプレーして活躍するところまでをセットでいま目指しています」

【岡野アナ】
「代表選考の視点でいうと、Jリーグよりも海外で、より高い強度でプレーするほうが有利なのかなと思うんですけど、そのあたりどうですか?」

【大迫選手】
「自分対して興味を示してくれた(海外)クラブはありましたけど。自分が成長するには厳しい環境に越したことはないと思っていますけど、僕はこの広島でここまで成長させてもらったと思っているので、まずはこの広島からW杯に行きたいっていう気持ちもあるので、それを含めてチームに恩返しをしたいと思っているので、かなえたいですね」

例年2月に開幕していたJリーグは今年、8月にシーズンをスタートする”秋春制”へと移行します。
それまでの期間にいま行われているのが、「百年構想リーグ」です。
この大会では引き分けがなく、最後はPK戦で決着をつけることになっています。
大迫選手はこの大会を、絶好のチャンスと捉えています。

【大迫選手】
「PK戦も含めてキーパーが勝たせているチームが(W杯)優勝に上り詰めているのかなと前回のW杯を見ても思ったので、そういう意味ではこの半年のシーズンはPK戦もあるというところで、自分が勝たせられる試合も多くあると思うので、アピールのひとつだと思っている。今まで練習していなかったフィールドの選手がちょっと蹴りたいとお願いされることも増えたので。僕たちの意識が上がったのもありますけど、フィールドの選手も蹴ることが多くなるので、(PK)練習する量もお互い増えましたね」

シュートを止める技術を磨いてきた大迫選手。
積み重ねた準備が結果としてあらわれたのは、ホーム開幕・岡山戦でした。

90分で決着がつかず”PK戦”へと突入します。
大迫選手が見ているのは、キッカーの目線と助走の角度。

2本目で反応を見せます。
すると…。
4本目でPKストップ。大迫選手の活躍でチームに勝利をもたらしました。

【岡野アナ】「PK戦って、心理戦?それとも統計学?」

【大迫選手】
「両方あると思いますね。統計通りにやるのも大事だけど、それを頭に入れながら、最後は自分の直感を信じるって感じですかね。岡山は前回、アビスパ福岡とPK戦をしていたので、あの選手も蹴っていたので自分の頭に入っていて。でもアビスパ戦では逆に蹴っていた、あの選手。だから多分、僕がデータを読んでいると思って逆に蹴るだろうなっていうのもあって、逆に飛びました」

【岡野アナ】「でも、その逆をつくかもしれない」

【大迫選手】
「だからもう、本当に駆け引きの試合ですけど。キッカーとの勝負でもあれば、その後ろに並んでいる次に控えている相手の選手との駆け引きでもあると思っているので、それを含めて楽しみながらやれている」

【岡野アナ】「次に蹴る人って大事なんですか?駆け引き」

【大迫選手】
「2人目3人目4人目だったりっていうのは、僕がどっちに動くとか、どのタイミングでどういう飛び方をするのかと見ているので、だからこそ、違う動きをしてみたりもする。でも、間違いなく蹴る方が緊張感があると思うので、キーパーの方が心理的に有利だと思っているので、プレッシャーはできるだけ与えたいと思っている」

【岡野アナ】「自分自身プレッシャーを感じては?」

【大迫選手】「感じてはいない」

【岡野アナ】「そんな雰囲気は出ています。堂々としているといいますか」

【大迫選手】
「言い方悪いですけど、決められて当たり前というか決めて当たり前の世界なので、だからこそ止められればラッキーというか、そういった心理でいるのもひとつ大事なのかなと」


冷静な判断で、一瞬の駆け引きを制す大迫選手。
しかし、冷静ではいられなかった出来事が…。
それは、去年12月に横浜で開かれた、Jリーグの年間表彰式のことでした。
ジャケット姿で登壇し、会場を沸かせた数時間前、広島駅で…

【大迫選手】
「新幹線って、博多行と東京行で同じ時間ってあまりないじゃないですか?大体時間ずれているじゃないですか?分単位で。こっちだと思って乗ったら、隼人くん(荒木選手)とかがいないんですよ。別に早く行ってもいいって聞いていたので、『隼人くん(荒木選手)早く行ったんだ!』と思って。僕、窓際の席が良くて、通路側だったんですよ。だから駅員さんに変えてもらおうと思って、”窓側にして欲しいんですけど”って言ったら、(駅員に)”上りと下り、逆ですよ”って言われて気付きました。10時3分発、東京行き。博多行も10時3分だったんですよ。新山口も全然新幹線来ないので。着いてからまた結構待ってみたいな…」

なんと、上りと下りのポジショニングを誤っていたのです。
しかし、持ち前の好セーブを発揮し、ピンチをしのいだ大迫選手。
いま、ゴールのほかに、守りたいものがあります。


【岡野アナ】「昨年、家族も増えて守るものが…」

【大迫選手】
「増えましたね。(ホーム)開幕戦や(昨季の)最終戦で一緒に入場して、試合前に自分の子供と会うのもなかなかないので。その試合で勝てたので良かった」

【岡野アナ】「女の子。もう勝利の女神」

【大迫選手】
「もう、かわいくてしょうがないですね。僕が遠征とかで帰ってきたら、ちょっと笑って迎えてくれるんで、そういうのはかわいい」

【岡野アナ】「いま、原動力になっているのでは」

【大迫選手】「なっていますね」

【岡野アナ】「W杯、連れていかないと」

【大迫選手】「一生に一度のことだと思うので一緒に連れていけたらうれしいですね」

4年に一度の大舞台。
選ばれるだけでなく、『日本を勝たせる”キーパーになる』!
これまで以上に重要なシーズンに臨んでいます。

【大迫選手】
「サッカー人生の中でも、一番大きい半年といっても過言ではないと思っているので、まずはこのチームで圧倒的なパフォーマンスをして最後はメンバーに入って、そして試合に出て、日本を勝たせる選手になりたいと思います」

今回初めて、じっくりとお話を伺って、言葉の端々から感じたのは、どこまでも”謙虚な人柄”。
毎試合のように好セーブをみせていますが、まだまだ納得していない!もっともっとサポーターに認められたい!と話していて、この誠実さも、ゴールを守る強さに繋がっているのではないかと感じた取材でした。

【コメンテーター:エディオン女子陸上部アドバイザー・木村文子さん】
「話を聞いていると応援したくなる選手だと思う。オリンピックやワールドカップなどの大きな舞台で成長できる。大迫選手は19歳でA代表になってからすごく成長している。今後がとても楽しみです」

ワールドカップに向けての試合が今月末から行われる予定です。
ここで選ばれることがポイントかなと思います。

テレビ新広島
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