廃炉に向け 厳しい道のり・・・

廃炉に向けた大きな課題は、核燃料と溶け落ちた核燃料、「燃料デブリ」の取り出しだ。

廃炉について、東京電力は事故が起きた2011年当時、「燃料デブリの取り出しを10年後以内に開始したい」と見通しを示していた。

その後、工程の遅れから繰り返し開始時期を見直し、2024年と25年に取り出すことができた。しかし、その量、わずか0.9グラム。

本格的な取り出しの開始は、当初「2030年代初頭」としていたが、2025年に「2037年度以降」にずれ込むと発表した。「2041年から2051年ごろまでに廃炉を完了させる」という目標は、実現が極めて難しい状況となっている。

東京電力HD福島第一廃炉推進カンパニー リスクコミュニケーターの徳間英昭さんは、廃炉計画について「この15年の蓄積の中で、ようやく見えるものが見えた。目標に向けて知恵を出して、技術を適用していく」と話す。

原発周辺に移住者増

こうした中、福島第一原発周辺の自治体では、ある変化が起きていた。

取材班は福島第一原発から半径30キロ圏内にある12市町村を対象に、住民の動向についてアンケートを実施。事故後に避難した住民が戻ってきた割合を示す「帰還率」を見ると、広野町は79%と比較的高いが、原発に特に近い双葉町など4つの町では、いずれも10%に満たなかった。

一方、事故後に他の地域から転入してきた「移住者率」を見ると、帰還率が低い自治体ほど移住者の比率が高くなっていることが分かった。

富岡町では移住者が6割以上を占め、水準が最も高い。

町には、移住を検討する人のための宿泊施設「お試し住宅」があり、窓口の隣にある一軒家を最大4泊5日借りることができる。

とみおかプラス移住専門員 竹原愛梨さん:
まずはこの街に興味を持ってくれて『ありがとう』というところ。しっかりとした土台を私たちが提供した上で、その方の人生をまた改めて考えてもらう。

竹原さん自身も、島根県からの移住者。廃炉に携わりたいという思いで、縁もゆかりもないこの地に移ってきたという。