近い将来、日本のスポーツ界を背負う天才キッズたち。
11月1日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、プロとキッズによるフェンシング対決が行われた。さらに、スポーツ界に存在する“マンガの世界でしかありえないような仰天エピソード”をアスリートたちが再現ドラマ仕立てで紹介する企画『スポーツマンガみたいな話』も。
フェンシング対決では“新感覚”な勝負を

プロに挑むのは、中学1年生の弓長皇美子さん。小学生時代に全国大会で3連覇し、将来のオリンピックでの活躍が期待されている。
迎え撃つのは、女子フルーレ・宮脇花綸選手。昨年、慶應義塾大学を卒業した彼女は、2018年アジア競技大会で金メダルを獲得し、東京オリンピック出場の有力候補となっている。
宮脇選手は、弓長さんの印象を「全国3連覇は圧倒的な力がないと出来ない。スゴイと思います」と絶賛しながらも、「でも、負けません!」とアピール。一方の弓長さんも「小さい頃からずっと憧れていて可愛いし、でも勝ちたいです」と意気込んだ。

この2人の対決の見届け人として、高校時代に滋賀県大会で優勝した実績を持つダイアン・津田篤宏さんも登場した。

最初の対決は「スピードアタック対決」。9つの的の中で、ランダムに1つの的が赤く光り、向かい合ったプライヤーのどちらが先に的を打ち抜けるかを勝負。
的の大きさは10センチが5つ、5センチが4つ。先に5つの的を撃ち抜いた選手の勝利となり、反射神経だけでなく、どれだけ的を正確に突けるかといった正確さが求められる。
接戦が繰り広げられたが、この対決は弓長さんが勝利した。
次の対決は「スプラッシュバルーンアタック」。落ちてくる水風船を剣先で突き刺すことができればクリア。レベルが上がるごとに落ちてくる風船の数が増えていく。

まずは水風船1つが落ちてくるレベル1では2人とも難なくクリア。2つの風船が落ちてくるレベル2では、弓長さんと宮脇選手がともに1回目で失敗。しかし、このミスを生かして2回目でクリアした。

落ちてくる風船の数は3つになり、難易度が格段に上がるレベル3では弓長さんが2回目で成功し、次の宮脇選手にプレッシャーを与える。
五輪候補の意地を見せたいところだが、宮脇選手は2回目でも失敗してしまい、この勝負は弓長さんの勝利となり、「フェンシング対決」は弓長さんが制した。
銀と銅が半分ずつのオリンピックのメダル?

スポーツ界に存在する“マンガの世界でしかありえないような仰天エピソード”。
まず1本目は、オリンピックのメダルにまつわる話。
日本にあるオリンピックのメダルの中で、2つだけ銀と銅が半分ずつに割られ、半分ずつくっつけられたメダルがある。
1936年、ベルリンオリンピックでのこと。陸上・棒高跳びで西田修平選手と4つ年下の大江季雄選手は金メダルを期待されていた。
この再現ドラマでは、西田選手をリオオリンピック卓球銀メダリストの吉村真晴選手、大江選手を世界卓球・銀メダリストの森薗政崇選手が演じた。
ライバルだった2人は、同じ日本人ながら闘争心をむき出しにし、互いに金メダルへの強い執念のもと大会に臨んだ。
12時から始まった予選を2人は順調に勝ち進み、16時に決勝がスタート。日も暮れ始めた頃には、メダル争いは西田選手、大江選手、そして3人のアメリカ人選手と5人に絞られた。
バーの高さは4メートル25。大江選手は1回目で失敗し、西田選手は1回目で成功。意地を見せ、大江選手も2回目で成功する。
この2人が成功するまでの回数の差が、のちに大きく運命を分けることとなった。
西田選手、大江選手、2人のアメリカ人選手が4メートル25をクリアし、バーの高さは当時の日本人が誰も跳んだことのない4メートル35へ。
西田選手も大江選手もこの未踏の高さを前に3回とも失敗し、2回目で成功したアメリカ人選手の金メダルが確定した。
しかし、まだすべての順位は決まってなく、バーの高さを下げて残る3人で銀メダルと銅メダルを争うことに。しかし3人とも失敗が続き、決着がつかないまま、時刻はすでに20時を回った。夏とはいえ、ドイツの夜はかなり冷え込んだ。
気力・体力ともに限界が迫る中、順位決定戦は続き、バーは4メートル15にまで下げられた。すると、もう一人のアメリカ人選手が脱落し、西田選手と大江選手に絞られた。
すると、審判から同記録は同順位という当時のルールに基づき、2人とも銀メダルで試合を終えることを提案される。
2人は互いの健闘をたたえ合い、同じ銀メダルで試合を終える。しかし、表彰式直前では、前日の審判の説明とは違う結論になっていた。大会本部が1回目で成功した西田選手が銀メダル、2回目で成功した大江選手は銅メダルと勝手に決めていた。
納得がいかなかった西田選手は、大江選手に銀メダルを受け取らせる。2人はそれぞれのメダルを持ち帰った。その後、銀メダルを譲り受けた大江選手の実家に、実際の記録である銅メダルの賞状が届き、この賞状を見た大江選手の兄は、弟の銀メダルは西田選手のはからいだと知る。
大江選手の兄は西田選手のもとへ銀メダルを返しに行くが、西田選手は「受け取れない」と言い張る。互いに譲らない中、西田選手と大江選手の兄は、メダルを半分ずつにすることを決め、知り合いの宝石店で銀メダルと銅メダルを2つに割ってくっつけた。
西田選手はのちに「メダルを半分にしたのは2人の順位がついていないからだ。スポーツはルールに忠実でなくてはならない」と話している。
前代未聞の2つにされたメダルには、正々堂々とスポーツに挑んだ男たちの思いが込められていた。

俳優・三浦翔平さんは「作品として仕上がっている」とアスリートたちの演技を絶賛。再現ドラマでは当時の映像も使われ、ゲストの丸山茂樹さんは棒高跳びの選手が着地する地点にあるものがマットではなく砂であることに驚いていた。
“ジャンボ尾崎”が導入した独自の練習法
“黄金世代”、“プラチナ世代”と新しい才能が次々と飛び出す女子ゴルフ界。
先月、日本女子オープンで国内メジャー初優勝を飾った原英莉花選手や、今年ルーキーイヤーながら2週連続ツアー優勝を飾った笹生優花選手は、現在、日本最強ゴルファーの“ジャンボ”こと尾崎将司さんから直接指導を受けている。
尾崎さんは男子ゴルフツアー最多の通算94勝をあげ、賞金王最多12回を誇るまさにレジェンド。そんな“ジャンボ尾崎”を一流に押し上げたまるでマンガのような独自の練習法を再現ドラマ仕立てで取り上げた。
“ジャンボ尾崎”を演じたのは、男子ゴルフ選手会長の時松隆光選手。
ゴルフに対して探究心が強かった尾崎さんは、練習に工夫をし、誰よりも早く取り入れたトレーニングがあるという。それは、自ら実況解説をしながらイメージトレーニングをすること。
試合での実況を想定したイメトレは、周囲を驚かせたという。このイメトレは、バンカーやグリーンなどさまざまなシチュエーションで行われ、この独特なトレーニングのおかけで尾崎さんは一流選手になったという。

このトレーニング法について、直接指導を受け、プロを目指していた阿部桃子さんは「イメージトレーニングがすごく大事だということは教わっていて、回るときは『私ならできる、私を信じて』とつぶやいていた」と明かした。
(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)