男子バレーアジア選手権最終日(13日)、勝てばロサンゼルスオリンピック出場が決まる決勝戦。男子日本代表はイランにストレートで勝利した。
今シーズン最大のターゲットと掲げてきた大会を制し、団体球技でのロサンゼルスオリンピック出場決定は第1号となった。
3点ビハインドから流れ引き寄せた西田
勝てばオリンピックが決まるプレッシャーのかかる試合。序盤から石川祐希のスパイクが立て続けにイランのブロックに阻まれ、0対3とビハインドを背負う。
苦しいスタートとなった中、流れを変えたのは西田有志だ。
イランの高いブロックが3枚揃う状況で、見事に打ち抜き日本に初得点をもたらすと、続けてサービスエースで4対3。中盤にも前衛、後衛から立て続けにスパイクを決めただけでなく、ブロックでも得点を重ねる。

終盤にはリリーフサーバーで登場した大塚達宣が魅せた。相手のレシーブを崩すだけでなく、サービスエースも奪う活躍で点差を広げ、最後は西田が決め25対21で第1セットを競り勝つ。
2、3セット目も苦しい展開が続く中、西田、髙橋藍の攻撃やミドルブロッカーの小野寺太志、エバデダン ラリーのスパイクやブロックで得点を重ね、接戦を制した。
不安漂うも「チームで支えることできた」
終わってみればストレート勝ちではあったが、前日の準決勝で負傷退場した石川祐希の調子がなかなか上がらず、スパイクがブロックにかかったり、ミスにつながる場面も目立った。
これまで苦しい場面で何度もチームを救ってきた姿が印象強く残るだけに、普段ならば決まる場面で石川が決まらない。
リードしても追いつかれる。少なからぬ不安も漂う中、「チームで支えることができた」と言うのは小野寺だ。

「調子がいい日もあれば、悪い日もある。そうなった時に僕も含めたチームで支えて、勝利につなげられるかはこれからも大事な要素。もちろん石川は頼りになる選手ですけど、ただ頼るだけでなく、自分たちでいかに1点1点を積み重ねることができるか。今日の試合ではそれができたんじゃないかと思います」

誰か1人が活躍すれば勝てるチームではなく、誰か1人がうまくいかない日でも全員の力でもっと強くなり、大事な試合で勝利する。決勝戦は、まさにそんな試合でもあった。
セッターの深津英臣も「自分が1点を取ることに意識が行き過ぎて、取り急いでしまった」と反省の弁を述べ、ブロックされても拾ってくれた、とリベロの山本智大や、コートの外からも声をかけ続けてくれた選手たちに感謝を述べる。
そして、そんな深津を気遣ったのが、大会MVPを受賞した髙橋だ。
「今シーズン、オミさん(深津英臣)は、ずっとしんどかったと思います。それでも弱音を吐く姿は見たことがないし、チームをまとめてくれた。何が何でもオミさんのトスを決める気持ちでいました」
ビクトリーポイントは石川祐希
苦しみながらの勝利。なかなか思い通りの得点シーンはなかったが、デュースの末に26対24で制した第2セット、最後の得点は石川のサービスエースだ。第3セットも西田のサービスエースでマッチポイントとした後、深津が最後にトスを上げたのも石川だった。
最後の1点を決め、目標達成の喜びを石川も噛みしめる。

「オミさん(深津英臣)にも20点以降のラリー中に『持ってきて』と言っていたので、最後に持ってきてくれてよかった。(決まって)ホッとしたというか。目標が達成できた安堵感、やるべきことをやった、という気持ちでした」
アジア選手権の勝利で、ロサンゼルスオリンピック出場を決める。目指した目標を達成し、ここからはオリンピックのメダルを目指す戦いが始まる。

プレッシャーにも打ち克ったチーム力をさらに高めるべく、1人1人も力をつけ、ここからのポジション争いも激化する。
ロスへ向けた、新しい戦いの始まりだ。

