不動産の所得者に成り済まし金をだまし取る、いわゆる地面師詐欺か…。
不動産会社から巨額の金をだまし取った疑いなどで男ら3人が逮捕された。専門家は、このような詐欺事件を見抜くのは弁護士などでも非常に難しいと指摘する。

大阪で“地面師”詐欺事件

ドラマでも話題となった“地面師”による詐欺事件。

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6日、送検されたのは会社役員の福田裕容疑者(52)だ。

福田容疑者とともに、詐欺に使われた大阪市の土地を実際に所有する不動産会社の代表取締役になったと嘘の登記をした疑いなどで、粂陵平容疑者(24)ら2人も逮捕されている。

地面師詐欺に利用された建物
地面師詐欺に利用された建物

地面師詐欺に利用された建物は大阪・ミナミの繁華街など立地の良い場所にあり、今は使われていないように見えるところばかりだった。

代金をスーツケースに入れ取引

関係者によると、粂容疑者は大阪市内にある3カ所の土地と建物の所有者の女性の親族と名乗り、架空の売買話を進めていたとみられている。

その後、不動産会社と売買契約を結び、合わせて約14億5000万円をだまし取った疑いだ。
売買契約では、代金のほとんどをスーツケースに入れ、現金で取引していたということだ。

地面師による犯罪といえば、2017年に東京都心の一等地の土地売買を巡り大手住宅メーカーが約55億円をだまし取られる事件が発生。
この事件をモチーフにしたドラマが大ヒットするなど“地面師”という言葉が注目されました。

「結構お手上げ」専門家も見抜くのは困難

今回、新たに発生した地面師詐欺。
ドラマを監修した司法書士の長田修和氏は、こういった詐欺事件を見抜くのは弁護士や司法書士でも非常に難しいと指摘する。

司法書士長田法務事務所・長田修和司法書士:
不動産仲介業者や司法書士は本人確認書類というのを確認します。これが運転免許証やマイナンバーカード、保険証。それが偽造されているとなると、結構お手上げです。

さらに、このような犯罪は私たちが住んでいる家でも起こる可能性があると指摘する。

司法書士長田法務事務所・長田修和司法書士:
ある日突然、不動産業者や測量業者が来る。普通に住んでいる人の家が勝手に売られちゃう。それはあります。何軒もあります。

警察は福田容疑者らの認否を明らかにしていないが、福田容疑者が指示役とみて詳しく調べている。
(「イット!」6月6日放送より)