激しく噴き上がる真っ赤な炎。
ヘリによる懸命な消火活動が続けられていますが、炎の勢いが収まる気配はありません。
カナダのサスカチュワン州で撮影された火災の映像を見ると、辺りは白い煙に包まれ数メートル先も見通せない状況となっていることが確認できます。
この火災の原因は先週発生した大規模な山火事です。
火は山のふもとにある建物をのみ込むなど燃え広がり、これまでの焼失面積は200万ヘクタールを超えました。
これは東京ドーム約43万個分の広さです。
拡大し続けるカナダの大規模な山火事は鎮火の兆しが見えず、深刻な事態に陥っているのです。
カナダの森林火災対策当局によりますと、今もカナダ全土208カ所で火災が起きていてその半数が、制御できない状態にあるとしています。
一方、白くかすむ高層ビル群が撮影されたのは、カナダの国境に隣接するアメリカ・ミネソタ州です。
白くかすんで見えるのは山火事で発生した大量の煙です。
アメリカの気象当局の予報官は、カナダで発生した山火事の煙はアメリカ・ミネソタ州に流れ込み、アメリカ全土の約3分の1が煙に覆われたことを明らかにしました。
衛星画像を見ると大量の煙がアメリカに流れ込んでいる状況が分かります。
そして、もう1つ懸念されるのが住民への健康被害です。
煙に含まれる粒子状の物質は呼吸器系や神経系に害を与える恐れがあり、健康被害のリスクが生じる可能性があります。
気象当局は、煙が地表まで達することはないとしていますが、すでに煙はニューヨークなど東海岸の都市の上空にも到達していて注意を呼び掛けています。