人気列車の“ラストラン”で“撮り鉄”たちの危険行為により、“有終の美”に水を差す事態が発生した。
“撮り鉄”たちの危険行為で列車は緊急停止
線路脇の斜面にできた人だかり…
この記事の画像(35枚)カメラを構える“撮り鉄”たちだ。
さらに、あぜ道にも列をなしている。
すると、列車に触れそうなほどスレスレで撮影する危険行為によって緊急停止する事態となってしまった。
“撮り鉄”たちによる危険行為が起きたのは、群馬県を走る人気列車の“ラストラン”でのことだった。
JR信越本線などで使用されたディーゼル機関車と電気機関車、通称「DLぐんま」と「ELぐんま」が、老朽化で旅客列車としての運転を終えるため、多くの鉄道ファンが集まっていた。
そんな“有終の美”に水を差したのが、今回の危険行為だった。
高崎駅と横川駅の間を走る「DLぐんま」と「ELぐんま」。
磯部駅と安中駅の間にある通称“イソアン”と呼ばれる人気の撮影スポットだ。
「ELぐんま」が田んぼ道を走っていると、突如、列車が緊急停止した。
よく見ると、線路の脇ギリギリに多くの人がいる。
一歩間違えると大惨事になりかねない危険な行為だ。
さらに直後にも、再び緊急停止。
よく見ると、“撮り鉄”とみられる集団は、逃げるように猛ダッシュで去っていく…。
列車に乗っていた鉄道ファンは「“危険なところで撮っている”自覚があって、警察に捕まるのが嫌だから、必死こいてダッシュで逃げたのではないか」と分析する。
仮に死者が出る沙汰になれば 死刑または無期懲役
一方、SNSで絶景スポットとして拡散された鉄橋には多くの撮り鉄が集結し、斜面を埋め尽くすほどの人だかりになっていた。
中には、川のすぐそばにまで入り込み、撮影する人までいたほど。
たびたび緊急停止となったことに、乗客は「敷地内侵入は遅延の原因にもなるので絶対にやめてほしい」と話す。
列車のすぐそばで撮影する行為が罪に問われることはあるのか。
鉄道ジャーナリスト・梅原淳さんは、「一番ひどい場合は列車が脱線して、しかも死者まで出たとなると、『汽車転覆罪』というのがあり、死亡してしまった場合、死刑または無期懲役しかないので、たいへん重い犯罪になる」と話す。
(「イット!」11月25日放送より)