人気のセレクトショップ・ビームス(BEAMS)が農協とコラボレーション。
ビームスが農業と若者世代の“橋渡し”
人気ショップBEAMS JAPAN。日本の銘品が並ぶBEAMS JAPANの中に野菜の直売所が。色とりどりの野菜が並んでいる。
ビームスバイヤー兼加藤農園4代目・加藤忠幸さん:
これはクロダイコンと言って、生で食べると辛いけど薄くスライスしてステーキを焼くみたいに食べるとおいしい。
店内にあったのは、丁寧な説明で野菜を販売する直売所。
この記事の画像(9枚)農業と若者世代の橋渡しに乗り出した。
ビームスバイヤー兼加藤農園4代目・加藤忠幸さん:
ビームスは衣食住ライフスタイルを開発・提案し、明日の未来を明るく幸せを形にする集団。(今回)少しでも若い方に農業・食を考えてもらうきっかけになっていただけたら。
農水省が進める食から日本を考える国民運動「ニッポンフードシフト」に賛同した取り組みで、週末を中心に店舗の中に農家自らが野菜を販売する直売場を設ける(2月末まで)ほか、
農作業はもちろん、普段のファッションとしても楽しめる新作ウェアの販売も行う。(農林水産省×BEAMS JAPAN「COACH JACKET」2万4200円)
ビームスバイヤー兼加藤農園4代目・加藤忠幸さん:
“食”はライフスタイル、カルチャーの1つの大事なコンテンツだと思っているので、そういうのをファッションと共に伝えられたら、着るだけではなくて味わってもらえたらなと思う。
ファッションのトレンドに“社会問題”
三田友梨佳キャスター:
このニュースについてはここでは一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さんに話を伺います。
人気セレクトショップによる野菜の販売、マーケティングや消費者行動を研究されている鈴木さんの目には、どのように映りましたか?
一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
ビームスと野菜販売の組み合わせを意外に思った方もいるかもしれませんが、これは顧客の販売シナジーを狙えるため、リスクを抑えた成長戦略と捉えることができます。
かつて「ファッション=洋服」と捉えられていたが、近年では「ファッション=ライフスタイル」となり衣・食・住のすべてにスタイルを持つ事がおしゃれの定義になりつつあると感じます。
ビームスのファンにとって、おしゃれな洋服や小物を買うのと同じように、安全で美味しい野菜を買うことがスタイルとなり、大切にすべきカルチャーになることを狙っているのではないでしょうか。これは、SDGsなどの社会問題にも高い意識を持つことは、最近ではファッションの大きなトレンドになっているためです。
三田友梨佳キャスター:
そうですね、2021年ビームスの設楽社長にインタビューした際、世界的な時代の流れであるSDGsについては、戦略的に向き合っていかなければならないとお話しされたことが印象に残っています。
一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
衣・食・住の中で、食にターゲットを絞って活動を行う際、日持ちする加工食品や、購買単価を上げることができる中食などを販売する選択も出来たと思います。
しかし、日本の豊かな食文化が失われようとしている中、その魅力が広く伝わり、さらに生産者を応援することが出来るものとして、あえて農業を選んだのではないでしょうか。
社会問題の解決について考えることがクールだと一般に認識されて、より多くの人が問題解決に向けたアクションを取るようになってくれることに期待したいと思います。
三田友梨佳キャスター:
ビームスは、これまでにも小売りの枠を超えて様々な文化を発信してきました。今回も、農業や食をより身近な存在として発信していくことで、新しい気づきや新たな価値も生まれていくのかもしれません。
(「Live News α」1月26日放送分)