いよいよ始まる”真冬の総選挙”。解散から投開票日までの日数は16日間。異例の短期決戦となる。

そんな中、ネット上には様々なニセ情報が拡散し始めている。

選挙戦を前にして、こうしたニセ情報は私たちの判断にどのような影響を与えるのか。ニセ情報を見破るためのポイントを緊急取材した。

■2013年にネットでの選挙活動が解禁後、SNSの影響力は大きく

異例の短期決戦となる“真冬の総選挙”。限られた時間で街の皆さんは選挙に関する情報をどうやって集めているのか。

30代:テレビとSNSが違う情報が出てくるので両方見てます。
50代:基本でもネット重視。
50代・20代:XかYouTube。テレビは見ないです。『オールドメディア』みたいな言葉が頭にあるので。

2013年にネットでの選挙活動が解禁されて以降、SNSの影響力は年々大きくなり、投票行動を大きく左右する要因にもなっている。

木原官房長官は「SNSを利用する際には情報の真意を確認していただくことが重要」と呼びかけた。

2013年に解禁されたネットでの選挙活動
2013年に解禁されたネットでの選挙活動
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■「寒いのに元気だな」タンクトップ姿のフェイク画像も

そんな中、いまSNSで出回っているのがこのフェイク画像。立候補予定者がタンクトップを着て街頭に立っている画像だ。

23日時点で5人が立候補を予定している石川1区。選挙区の金沢市はこの時期、雪も降っていますが、「寒いのに元気だな」などのコメントが。

この画像は本人のSNSの投稿をもとに生成AIで作られたと見られる。

※石川1区立候補予定者:自民・前職の小森卓郎氏、国民・前職の小竹凱氏、参政・新人の川裕一郎氏、維新・新人の小林誠氏、共産・新人の村田茂氏

フェイク画像
フェイク画像

■中道改革連合のロゴ公表後、フェイク画像が拡散

さらにSNS上では、新党の中道改革連合のロゴが「中国の中核連なる団体のロゴとそっくりだ」というXの投稿が急速に拡散した。中国の国旗を彷彿とさせるデザインのロゴが新党のロゴに似ているという投稿だ。

これを“ニセ情報”だと判定したのが、日本ファクトチェックセンターだ。

インターネット上で拡散するニセ情報や誤情報を検証する非営利団体です。どのようにして“ニセ情報”だと見抜いたのか。

「中道」のロゴを使ったニセの画像
「中道」のロゴを使ったニセの画像

■実際に検証作業に密着すると…

日本ファクトチェックセンター 古田大輔編集長:このロゴが発表されたのが1月16日でした。(AIアプリに)1月16日と入れると、1月16日以降のいろんなニュースとかSNSなどの投稿とかがいっぱい出てくる。

そこには、中革連のロゴとされるものが出てくる。では、この前にこれが存在するのか。全然出てこない。

古田さんがAIアプリで調査したところ、「中革連」なる画像は、新党がロゴを発表した今月16日以降ではヒットするが、それ以前の条件で調べるとヒットしなかった。

誰かが「中道」のロゴ発表後に、このロゴを使って創作したとみられるということだ。

さらに「中革連」なる中国の公的な組織そのものが見つからないことから、今回の情報を「ニセ情報」と判定したそうだ。

また、SNSにはこれとは別の、ニセの新党ロゴを使った動画も存在している。

拡散されている画像は1月16日以前の情報はないことが分かった
拡散されている画像は1月16日以前の情報はないことが分かった

■「嘘をつくのは1秒でできる」間違いを指摘するには「最低でも数時間、時には数週間かかる」

このような選挙に関連する“ニセ情報”は、外国人に関する政策が争点のひとつになった2025年の参議院選挙でも見られた。

日本ファクトチェックセンター 古田大輔編集長:昨年の参院選で、外国人は不起訴だらけだと、日本人よりも不起訴の確率が高いという投稿が大量に拡散した。

犯罪白書のデータを見てみると、(2023年の起訴率は)刑法犯全体で36.9%、外国人は41.1%。これだけで間違いである事が分かる。

では、一体どんな人が「ニセ情報」を拡散してしまうのか。

日本ファクトチェックセンター 古田大輔編集長:拡散してしまった人たちに『なぜ拡散したか』と聞いた調査で、1番多かった答えが『情報が興味深いと思った』、2番目が『情報が重要だと感じた』これは別の言葉で言えば”善意”なんですね。

悪気なく拡散されてしまう“ニセ情報”。しかし、そのファクトチェックには限界があるという。

日本ファクトチェックセンター古田大輔編集長:嘘をつくのは1秒でできるんですね。でも『それ間違ってますよ』というには根拠をそろえて、丁寧に論理だった文章を書いて説明しないといけない。最低でも数時間、時には数週間かかる。スピードや量の面で、絶対ファクトチェックは追い付かない。

日本ファクトチェックセンター古田大輔編集長
日本ファクトチェックセンター古田大輔編集長

■情報拡散前にいち早く検知するサービスも

情報が拡散してしまう前に、いち早く検知するサービスを政党向けに始めた企業もある。

ネットセキュリティ会社のイー・ガーディアンではデマなどの炎上リスクを含む”投稿をAI技術と人の目を用いて監視し、契約を結んだ政党に報告している。

さらに先月から、選挙期間中に24時間体制で人員を配置して監視を強化するサービスを発表したところ、すでに今回の衆院選に向けて問い合わせがあったという。

イー・ガーディアン 片山耕一さん:ネットの声が実際の得票率と非常にリンクしているものがございます。

どのようにSNS上で言われているかは非常に敏感になられている状態です。

例えばそれはデマだったと公式がつぶやいたりとか、投稿者ご本人が訂正したとしても、その情報を見ていない人はもうやはりネガティブな印象がずっと続いてしまうというのがあるので、やはりスピードというのは非常に求められるのかなと。

専門家は私たちの心構えを変える必要があると話す。

桜美林大学リベラルアーツ学群 平和博教授:フェイクニュースが、選挙のときには流れてくるんだということを有権者の方々はあらかじめ頭に入れておいていただければ『怪しい情報だ』と頭の中で整理をしていただく、あるいはスルーをしていただくことができるようになるのではないか。

私たちの大切な一票を守るため、ニセ情報に惑わされない注意が求められる。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年1月23日放送)

イー・ガーディアン片山耕一さん
イー・ガーディアン片山耕一さん
関西テレビ
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