大阪府警の警察官2人が家宅捜索中に暴行を加えた罪などに問われている裁判。
現場のカメラの映像が一時、消去されていたことが分かりました。
大阪府警捜査四課の警部補・時長力被告(51)と巡査部長・阪口裕介被告(33)は、ことし7月、風俗店のスカウトグループの拠点とみられるビルを家宅捜索中、捜査対象の男性らに暴行を加えた罪などに問われ、2人は裁判で起訴内容を認めています。
24日の裁判で、時長被告は、暴行の理由について家宅捜索の目的がグループが使っていたとみられるアプリの解析で、捜査対象がスマートフォンの暗証番号を教えなかったためと説明。上層部の期待に応えたかったと供述しました。
また、事件当時、大阪府警は家宅捜索の現場にカメラを設置していましたが、阪口被告は23日、自身の被告人質問で、自分が暴行した後に、現場が映らないようカメラの画角を変えたことを認めました。
カメラに関して明らかになったのは、これだけではありません。当時の映像が事件後、一時、消去されていたのです。
そのことについて、阪口被告は…
【弁護人】「これを消したのはあなたですか」
【阪口被告】「私じゃありません。捜査本部に従事していた人間しかありえません」
また、時長被告も、映像を消去したのは「自分ではない」と供述。
大阪府警は、映像の消去について「公判中のためコメントを差し控える」としています。
検察側は、「捜査目的のためなら多少の暴力は構わないという独善的な考えによる犯行」などと指摘し、阪口被告に拘禁刑2年6カ月、時長被告に拘禁刑2年を求刑。
一方、弁護側はそれぞれ執行猶予付きの判決を求めました。
2人の判決は、来月言い渡される予定です。
この事件をめぐっては、他に捜査四課の警察官4人が在宅起訴されています。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年12月24日放送)