ツイセキです。
今年、11月、障がい者のコミュニケーションに関する「2つの条例」が、施行されました。
条例制定の道のりとそれを支える人たちに密着しました。

23日、開催された手話言語条例を含む、障がい者の意思疎通などに関する条例制定の記念イベント。

オープニングを飾ったのは、広島県内で活躍する手話ダンスチームです。
今年、手話ダンスの全国大会で優勝した「オハイアリ」


そして、第1回大会の優勝チーム「Sign」です。
Signの代表を務める菊田順一さん、手話の普及などを目的に、5年以上前から活動を続けています。

今年、3月、条例の制定に向けて始まった検討会。
関係団体の代表や有識者が集まりました。
ひとくちに障害と言っても、その実態は多種多様です。
辿ってきた歴史や背景も同じではありません。
戦前の一時期、手話は使用が禁止されていました。

【広島県ろうあ連盟・迫田和昭 理事長】
「私たちの背景の中に、手話を禁止されていた。私たちろうあ者の権利を奪われた。という歴史背景があるので、これから手話言語条例が制定されたあとは、手話を言語として認めるということになるわけです」

検討会は、市民にも公開して行われました。
会場に、菊田さんの姿がありました。

【手話ダンスチームSign・菊田順一 代表】
「結果的には前向きに一歩進みそうな感じがしたので、とてもいい会議になったと思います」

回を重ねるごとに、議論は白熱していきます。

【広島難病団体連絡協議会・西河内 靖泰 会長】
「手話のできる教員がいなければ話にならない」
【広島県要約筆記サークル連絡会・神垣 巌 会長】
「ぜひ当事者の方を向いて、どういう条文が、実効性があるのか」


自分たちにも出来ることがあるかもしれない。
そう思いながら、菊田さんは、検討会に、何度も足を運びました。

【手話ダンスチームSign・菊田順一 代表】
「手話の普及については、楽しく誰でも関われる。障壁を下げることも大事だと思って、そう考えると手話ダンスは有効ではないかと思います」

条例制定の作業が進められている頃、菊田さんたちは、新たな挑戦を始めていました。

被爆80年の今年。
より多くの人に被爆の実相を知ってもらいたいと原爆をテーマにした手話ダンスミュージカルを制作しました。


そして、もうひとつ。

【手話ダンスチームSign・菊田順一 代表】
「ここでしっかりとぶつけていきましょう。『Sign魂』を」

今年開催された大阪・関西万国博覧会。
会場のステージでも、来場者に向けて、手話ダンスを披露したのです。

そして、手話言語条例と情報コミュニケーション条例は、11月1日、施行されました。

条例の制定は、障がい者と健常者の共生社会を実現する大きな一歩となります。

【県 地域共生社会推進担当・山縣 真紀子 部長】
「条例を作ることが目的ではなく、ここが始まりだという意識でみんなやっています。しっかり話し合いながら、ひとつひとつ積み重ねていくことだと思っているので、この条例をきっかけに頑張っていきたいと思う」

テレビ新広島
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