2025年も残すところあとわずか。何かと気ぜわしいこの時期、ふと頭をよぎるのが「忘年会」の存在ではないでしょうか。

 会社の忘年会に参加したいかどうかを街行く人に聞いてみると、世代間での忘年会への「温度差」が浮き彫りとなる結果に。

 あなたは、この年の瀬のイベントにどんな選択をしますか?

■忘年会、参加したい?したくない?

 街で20代の若者に聞いてみると…。

 「僕は行きたいですね。誘ってほしいし自分から(誘いに)行きたいくらい。関係の幅を広げられるのがメリット」(IT系 会社員/20代後半)

 「参加したい。会社の信頼関係のため」(販売・営業 会社員/20代前半)

 「(忘年会には)たぶん行かない。仲がいい人ならば良いが、行って楽しいと思えるなら…」(ホテル関係会社員/20代)

 「会社の人のことが好きなので、仲良くなりたい」(会社員/20代)

 20代では、会社の人と交流できる機会として忘年会に参加したいという声が目立ちました。

■「お金も使うし、気も使うし、体も使う」

 一方、上の世代に同じ質問をするとこんな回答が。

 「参加したくないです。自分のルーティンを大切にしたい。午後8時ごろには家に着いて、午後10時台には寝たい。ずっと続けているので(ルーティンが)崩れるとつらい」(営業職 会社員/30代)

 「(参加)しなくて良いならしたくない。気を使わせない気づかい。『ありがとう幹事をしてくれて』『とても楽しいよ』と表している」(事務職/40代)

 「若い子は飲むのが好きではない人が多いから、私が若い頃は上司から『歌を歌え』などもあった。仕事のことでさんざん言われてへこんだこともあった。今それをやっちゃうとハラスメントになる。自分がイヤな思いしているから気を付けるようにしている」(会社員/50代)

 「面倒くさい。みんなが気を使って飲むから飲んだ気がしない。年配の人はお金も使うし、気も使うし、体も使う。挙句の果てにハラスメントだとか言われて『残業手当出るんですか』なんて言われたら、もう誘えない」(建設業 会社役員/70代)

 幹事の方に話を聞くと、忘年会の開催にあたって心がけていることがあるそうで…。

 「もちろん会費は全額会社持ち。席も決めず仲が良いもの同士が座る。気持ちよく(忘年会に)来ていただけるようにしている」(建設業 経営者/60代)

■20代の7割「忘年会参加したい」

 アンケート調査の結果を見ると「参加したい」派の回答の割合は、20代では70%を超えています。

 中でも「とても参加したい」と積極的な回答をした人の割合は14.5%でした。

 一方、50代で「参加したい」派の割合は48%と、過半数を下回りました。さらにその中で「とても参加したい」と答えた人は1.7%。20代と比べ、消極的な回答が目立ちます。

■20代・忘年会に参加したい理由は“会社内でのつながり”

 20代が忘年会に“参加したい”理由の1位は「会社内での関係構築」(33.6%)。

 2位は「つながりを感じたい」(26.0%)、3位には「飲みの席だけの話ができる」(23.7%)がランクイン。会社内での人間関係を求める声が多く見られました。

 普段の業務では話せないことも、お酒の席なら打ち明けられるのではという期待があるようです。

■50代は「プライベート」「経済面」などを重視

 一方、50代が“参加したくない”理由の1位は「プライベートを優先したい」(34.6%)。若い世代に多いと思われがちな意見ですが、実は50代に多いという意外な結果となりました。

 2位は「ノリについていけない」(21.2%)、そして3位は「経済的な負担」(19.2%)でした。飲み会では上の世代ほど、高い金額を支払ったり奢ったりする場面が多いもの。物価高の影響もうかがえます。

 今回の街頭インタビューでは、「気を使う」という言葉を口にする上の世代が多く見受けられました。ハラスメント問題への意識が高まる中で、若い世代を誘うことに躊躇する声も少なくありません。

 上の世代から誘うのが難しい時代だからこそ、参加意欲を示している若い世代から声をかけることが、忘年会を楽しむきっかけになるかもしれません。

北海道文化放送
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