高市首相は18日、いわゆる「年収の壁」の引き上げを巡る国民民主党との協議の結果、178万円への引き上げで合意したことを受けて、「働き控えの解消、手取りの増加」に繋がると強調した。

高市首相は、国民民主党の玉木代表との会談後、記者団の取材に応じ、「一つは働き控えの解消、手取りの増加という観点、そして物価高で足下厳しい状況にある中所得・低所得の方々に配慮しながら、給与所得の全対象者の約8割を対象に基礎控除の上乗せ措置を講ずることで、全ての納税者の方々にとって、所得税の負担が生じ始める水準が178万円以上となると同時に、多くの納税者の方々にとって一定の手取りの増加が実現することになる」と述べた。

その上で、「私自らが強い経済を構築するという観点から、所得を増やして消費マインドを改善して、事業収益があがる好循環を実現するために最終的な判断を下した。
政治の安定を望む国民の皆様方のためにも、両党の間でなんとか関所を超えようということで、2年越しで知恵を絞っていただいた結果だ」と成果を強調した。

「年収の壁」の見直しを巡っては、現在の160万円から178万円に引き上げる方向性で一致する一方、対象範囲を巡っては、中間所得層も含めた引き上げを求める国民民主に対して、低所得者層に限定し税収の減少を抑えたい自民党とで、溝が埋まらないまま、与党が19日にも来年度の税制改正大綱を取りまとめるため、18日が事実上のタイムリミットとなっていた。