2025年に日本を訪れた外国人旅行者は10月までで約3555万人です。
過去最多だった2024年を超える勢いですが、京都ではインバウンドで高騰していた宿泊料金に今、異変が起きているようです。一体なぜなのか見ていきます。
16日、人気の観光地・京都は平日にもかかわらず人であふれていました。
そうした中、京都駅周辺の宿泊施設では異変が。
京都市観光協会のデータによりますと、2024年12月の宿泊料金の平均は2万円ほどでしたが、現在、1万円を切る宿泊施設も続出しているんです。
神奈川県から訪れたという観光客は「ニンテンドーミュージアムに行きました、楽しかったです。(Q.宿泊代はいくら?)2泊3日で2万円くらい、2人で。この時期なのに安い、お得だった」と話しました。
安くなった宿泊料金について、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは「中国人観光客の大幅な減少に伴って空室が多く出ている。そういった状況から、それを埋めるために各ホテルが値段を下げているという状況。今週の平日で見てみますと、5000円台という最安値水準も出てきています」と話します。
要因の1つと考えられるのが、冷え込む日中関係です。
11月、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかける中、中国国営テレビは日本行きの航空券のキャンセルが54万件を超えたとも伝えています。
京都駅近くにあるホテルの支配人は、中国人観光客の変化について次のように話します。
ハートンホテル京都・塚本勝支配人:
(中国人観光客が)少し減っているかなというのは確かにあります。(Q.宿泊料金はどれくらい下げた?)肌感ですけど1割ぐらいは減っていると感じている。
11月辺りから中国人旅行客の予約キャンセルも出てきたといいます。
ただその一方で、オフシーズンに入ったことも要因ではないかと述べていました。
ハートンホテル京都・塚本勝支配人:
価格調整に入ってきているのかなというのは正直感じます。関西では万博であるとか終わったこともありますし。
そして、京都駅周辺の別のホテルの人に話を聞いたところ、紅葉シーズンなどが終わったことなどに加え、中国の団体客の予約が多かった駅前のホテルでキャンセルが相次いで値下げしたため、その周辺のホテルも価格を下げざるを得ないという副次的な経済損失も起きているそうです。
例えば値段で見ると、この時期は例年8000円ほどのシングルルームを5000円から6000円に値下げしているということです。
では、外国人観光客にも人気の店はどう感じているのでしょうか。
八坂通りにある老舗せんべい店の店主からは、中国人観光客が減少しているとしつつも、冷静な意見が聞かれました。
京・月待庵 祇園店・店主:
中国の方にはすごく人気でよく売れてたけど、若干ちょっと減ったかなというくらいで。インバウンドはボーナスみたいな感じだったので、元に戻ったかなという感じ。(これまで)ホテルがとれなかったみたいなので、それが取りやすくなったのか、だいぶ修学旅行生増えた。
そうした中、宿泊料金の値下げは京都だけではなく各地に及んでいると専門家の鳥海さんは指摘します。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん:
大阪、名古屋それから金沢、いわゆる中国人観光客が多く訪れていて、かつ個人旅行も含めて需要が増えていたので、都市部ほど影響が出ているという感じ。