ツイセキです。
呉市が数年前から続けている自動運転バスの社会実験。
その現在地を取材しました。
【野川キャスター】
「JR呉駅前です。再開発が着々と進んでいます。左側に呉駅がありますが、その前のバスロータリーもかなり姿を変えてきています。そして、あちらフェンスの隙間から銀色の手すりが見えますが、おそらくここに架かっていた歩道橋だと思います。そういったものを取り外して、大がかりな、生まれ変わるような再開発が着々と進んでいます」
駅や道、港と街が一体となる次世代型総合交通拠点の整備。
それと同時に実用化に向け、いま積み重ねているのが…。
【野川キャスター】
「では乗りましょう」
「様々な機具が置かれていますが、両サイドに椅子があります。あ、結構フワフワしていますね。座り心地いいですね」
自動運転バスを使った交通社会実験。
将来に向けて、持続可能な交通体系を探るとともに、呉駅前の再整備では、こうした次世代モビリティがデッキに乗り入れる誰もが使いやすい環境整備を目指しています。
そのため呉市では2019年から社会実験をスタート。
第1弾は環境に優しく災害時に役立つ「水素バス」でしたが、2021年に行った第2弾からは自動運転バスを使い、市街地走行するための課題抽出や商店が立ち並ぶアーケード内で車両接近時に歩行者に注意喚起する実証実験なども重ねてきました。
そして、今回は、定員8人、フランス製の車両を使って観光スポットの多い呉駅南口側で1週間、社会実験を行います。
【野川キャスター】
「シンボル的存在、大和ミュージアムが見えてきました。こうした観光地を巡って、普段使いの皆さんも観光客のみなさんにも使いやすい、そんな乗り物になっていくんでしょうか」
今回は完全自動ではなく、スタッフが同乗する「レベル2」での実験。
信号機のある交差点や踏切では手動で発車指示を出しますが、右折するハンドル操作などほとんどは自動です。
【野川キャスター】
「運行ルートからは離れた場所にあるこちらの一室ですが、このようにソフトを使って運行状況を確認することができます。ルートが紫色のラインで出されて、レクレ館前に止まっていることがわかります」
この先、完全自動運転の「レベル4」が実現すればこうして画面を見ながら複数の路線を遠隔管理できます。
【呉市・新原芳明 市長】
「呉駅周辺の総合開発、そこから発展する呉市というのを大いに期待していただきたい」
呉市は、ほかの地域の事例も見ながら導入に向けた実験を重ねたいとしています。
<スタジオ>
【野川キャスター】
今回の実証実験、実は、同じような車両で、愛媛県松山市では来月から市内中心部でレベル4の完全自動運転を始めるということなんです。
場所や天候、速度など一定の条件下での完全自動運転ということなんですが、基本的にバスの営業所で遠隔監視、運転席が無人ですから、支払いはキャッシュレスのみだということです。
さて、実用化に向けて実験を重ねている呉市ですが一つ身近なところのハードルとしてはこちら。
「路上駐車」している車両の回避ということなんです。
きょうも何か所かありましたが、対向車や後続車との関係もあり、まだ回避が難しいということで、技術の進歩を待つだけでなく車のドライバーの意識というのも改める必要があります。
以上ツイセキでした。