田久保前市長の失職に伴う伊東市長選挙は新人の元市議が初当選を果たし、混迷を極めた半年間に終止符が打たれました。一方で、騒動の発端となった田久保氏は12月14日から姿を現していません。

田久保眞紀 前市長:
誰が戦えるのか?このしがらみの構造、利権の政治、これと戦えるのは候補者の中で誰なんですか?

“利権がはびこる”伊東市で市政を担えるのは自分しかいないと強く訴えたのは田久保眞紀 前市長。

今回の市長選の発端から中心にいたのはまさに田久保前市長でした。

「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している。」

6月初旬。

混迷を極めた伊東市の半年間は、この1通の告発文から始まりました。

田久保前市長に浮上した学歴詐称問題。

市議会は田久保前市長に対して2度の不信任案を突きつけ可決。

10月末にはついに市長失職となりましたが…

田久保眞紀 前市長(11月19日):
もう一度お任せいただけるのであれば伊東の市長選、チャレンジをしていきたい

再び、市長選への立候補を決めました。

ただ、問題の発端であり、多くの市民が知りたいはずの学歴詐称問題については…。

田久保眞紀 前市長(11月19日):
慎重に対応するというのは捜査機関に対する礼節でもありますし、ここで軽はずみな発言は控えさせてもらいたい

事実上のゼロ回答に終始。

そして、12月7日から始まった選挙戦でも…

田久保眞紀 前市長(12月7日):
きょうはもう全部話します

「全部話す」とは言いましたが、学歴詐称問題については説明を避け続けました。

そんな田久保前市長に期間中は遊説先でも…

政治団体・日本大和党
河合ゆうすけ党首(12月7日):
あれちゃいますか?学歴認めた方がイメージいいんちゃいますか?

田久保眞紀 前市長(12月7日):
なんですか?

政治団体・日本大和党
河合ゆうすけ党首(12月7日):
学歴認めた方が…

田久保眞紀 前市長(12月7日):
演説聞いてました?

政治団体・日本大和党
河合ゆうすけ党首(12月7日):
お互い頑張りましょう

別の候補者の陣営からも指摘されます。

さらに…

田久保眞紀 前市長(12月13日):
私たちが求めているのはハコモノ行政じゃない。建設会社だって求めているのはハコモノ行政じゃないんです

田久保前市長が街頭演説を行えば、周辺には「嘘つき」と大きく書かれたプラカードを持つ人や「責任感じろ」などと書かれたカードを掲げる人たちの姿も…

田久保前市長の支援者(12月13日):
顔出せよ、ちゃんと!顔見せろよ、マスク外して!こないだと同じじゃねえか!

支援者との間でいさかいが起きるなど混乱ぶりも目立ちました。

その一方で支援者からは“熱い”応援も受けます。

支援者(12月13日):
頑張ってね!伊東の市長、あんたしかいないんだよ!家族で応援している

田久保眞紀 前市長(12月13日):
もう泣いちゃいそうだからやめて、泣いちゃうよ

支援者(12月12日):
絶対頑張ってくださいね!あんなメガソーラーなんていらないから。いらないでしょ、あんなの。絶対阻止してください。写真いいですか?

抜群の知名度を誇る田久保前市長。

まさに今回の選挙戦の中心でした。

ただ、間違いなく話題の人であったものの、主役の座を奪ったのは杉本憲也 元市議と小野達也 元市長です。

杉本憲也 元市議(12月7日):
私はもやっとした伊東市をきょうの青空のようにスカッとさせたい。これまでの停滞した伊東市政を正常に戻して前に進めたい

小野達也 元市長(12月7日):
伊東市政が混乱していく姿を見て、ひとりひとりの言葉を聞く中で何とかイライラしたりモヤモヤしているそういうものから何とか立ち直らせていきたい

候補者乱立により再選挙も懸念されましたが、得票はこの2人に集中。

熾烈な戦いの末に市長の座を射止めたのは杉本憲也 氏でした。

小野氏を振り切って初当選を果たしました。

杉本憲也 新市長:
皆さん、やりましたよ。「変わらない」と言われたこの伊東を、これから先は必ず皆さんと一緒に変えます。進めます。どうか皆さんよろしくお願いします

一方の田久保前市長はというと…
 
光田有志アナウンサー:
日付は回って午前1時過ぎです。落選となった田久保氏ですが、こちらで報道陣の囲み取材に応じる意向を示していましたが、現在も姿を見せていません

報道陣の取材に応じることになっていましたが、姿を現すことはありませんでした。

その後、自身のSNSを更新し「改めてまたみなさんとお話しできる場を作りたいと思っています」とコメントを発表しています。

テレビ静岡
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