物価高に伴い住宅価格も上昇を続ける中、注目が高まっているのが“超長期ローン”です。
不動産経済研究所によると、新築分譲マンションの全国平均価格は8年連続で上昇。
10年前と比べて1500万円以上も上がり、6000万円を超えています。
さらに東京23区で見ると、新築マンションの平均価格は、なんと1億5000万円超え!
そうした中、物件の購入方法を巡り新たな動きが出てきました。
開放的な吹き抜けと大きな窓が売りの戸建て物件。
家族連れも熱心に見学に訪れていた中、物件価格の高騰を背景に人気が高まっているのが、超長期ローンだといいます。
AQ Group東京西支店 小金井店長・廣瀬佑樹さん:
50年ローンを選択する方も若年層中心に増えてきている傾向。
長い期間をかけて返済する50年ローン。
35年ローンと比較してみると、物件価格5000万円の場合、月々の支払額は10万7762円で約3万円以上安くなる一方、総支払額は約6466万円となり、35年よりも500万円以上高くなっていました。
AQ Group東京西支店 小金井店長・廣瀬佑樹さん:
(50年ローンの特徴は)月々の支払いを抑えられるので生活の負担が軽減できるっていうことと、借り入れ年数が長いため、相対的に(支払いが)増えるデメリット。
こうした50年ローンは、今や、多くの金融機関が取り扱っています。
街からは、「80歳?50年生きていない可能性の方が高い(30代)」「借金はあまりない方が良いから、35年とかの方が良いですかね(20代)」「(35年のローンでも)払える人は35年でも良いと思うけど、自分の手取りも加味して、払える方で選んだら良いのでは(20代)」など、さまざまな意見が聞かれました。
「イット!」が週末に取材したのは、メーカーの資材部門で働く36歳の男性。
将来、4人家族で住めるような物件を探しに来たといいます。
メーカー勤務(36):
(予算は)マンションが1億するニュースで聞いたりするので、そのくらいは覚悟しなきゃいけないのかなと。
50年ローンについては、「(浮く資金でする)投資でプラスになるのが確実ならその選択肢はするかもしれないが、自分が80歳過ぎてまで返してる姿が想像できない」と話しました。
一方、実際に2年前から50年ローンの支払いを続ける女性は、夫と子ども2人の4人家族で、6500万円の一軒家を購入し、月々9万9000円を支払っているといいます。
50年ローンで一軒家購入(30代):
(子供が)将来何かしたいとかやりたいと言ったとき、お金のせいでできないという選択は持ちたくないから、自分たち的には選んでよかった。
50年ローンについては、80歳までに払い終えることを条件とする金融機関がほとんど。
一方、さまざまな返済スタイルも選択できるといいます。
京葉銀行・融資部 担当者:
例えば35歳の方でしたら(80歳までに支払い終えられるよう)残り44年間という形で返済期間を選んで使う方がかなり増えてきている。
一方、超長期ローンを組むうえで注意すべき点も。
フジテレビの智田解説副委員長は、「返済期間を延ばすことでローン残高は減りにくくなるうえに、変動型金利は上がっていく可能性がある。長期のライフプランを見通したうえで、無理のない返済計画を立てることが重要になってくる」としています。