アメリカ政府が提案したウクライナをめぐる和平案について、フランスのマクロン大統領が、「アメリカが領土問題でウクライナを裏切る可能性がある」と強い不信感を示したとドイツ誌が伝えました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、フランスやドイツなど、ヨーロッパの首脳らと電話会談を行いました。

この会談についてドイツの有力誌「シュピーゲル」は4日、通話記録の一部を入手したとして、フランスのマクロン大統領が「安全の保証を明確にしないまま、アメリカは領土問題でウクライナを裏切る可能性がある」、「大きな危険だ(a big danger)」とゼレンスキー大統領に警告したと伝えました。

また、ドイツのメルツ首相も、ゼレンスキー大統領に対し「アメリカはウクライナやヨーロッパと駆け引きをしている」と述べ、慎重に対応するように促したということです。

電話会談にはNATO(北大西洋条約機構)のルッテ事務総長やフィンランドのストゥブ大統領も参加し、アメリカ側の交渉担当であるウィトコフ特使や、トランプ大統領の娘婿・クシュナー氏について「ゼレンスキー氏が2人と単独で会うのは望ましくない」との意見も出たということです。

一方、フランス大統領府は「そのような発言はしていない」と報道の一部を否定しています。

アメリカが主導する一連の和平協議についてヨーロッパ側が不信感を抱いていることが改めて浮き彫りになった形です。

アメリカが提示した和平案では、ロシア支配地域の扱いやウクライナの安全保証などでロシアとウクライナの隔たりが大きく、調整が難航しています。

フジテレビ
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国際取材部
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