年末の風物詩、現代用語の基礎知識選「2025T&D保険グループ新語・流行語大賞」のノミネート30語から選ばれたトップ10が1日午後発表され、年間大賞には高市首相の「『働いて働いて働いて働いて働いてまいります』/女性首相」が選ばれた。
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」は、高市早苗首相が自民党総裁選挙で総裁に選出された際に表明した決意の言葉。
「ワークライフバランスを捨てる」との表明には賛否の声が巻き上がったが、首相就任直後からトランプ大統領との日米首脳会談や、APEC参加で韓国訪問、日韓首脳会談、自らの発言をきっかけとした日中関係の緊張など、連日「働いて」いる。
選考委員は、「ここのところとんと聞かなくなった気合いの入った物言いに、働き方改革推進に取り組む経済界は度肝を抜かれた」「午前3時の公邸入りはさらなる物議をかもし、議員宿舎のファックス紙詰まりとの報道もあったが、一方で、共感した昭和世代も実は多かったのではないか。『仕事ってそういうものだったな』と。多様性を尊重する働き方を実現しているところもあれば、道半ばのところもあるのが現実だ。初の女性総理、働いて働いて働いて働いて今があるのは間違いない」と評していた。
また選考委員特別賞として、6月に亡くなった長嶋茂雄さんの「ミスタープロ野球」が選ばれた。
その他トップ10に選ばれた言葉と、歴代の年間大賞は以下の通り。
「トランプ関税」
アメリカのトランプ大統領が各国に課した一方的な関税引き上げが大きな問題に。
困難なアメリカとの関税交渉を担当した赤沢亮正大臣は何度もアメリカと日本を往復した事から、「ピストン赤沢」というあだ名まで付いて話題となった。
「エッホエッホ」
ネットに上がった画像や動画を改変してオチを付け拡散することでみんなで楽しむ「ネットミーム」。メンフクロウのヒナが草むらを2本足で懸命に走っているように見える写真が海外のネットで話題になり、日本ではその姿に「エッホエッホ」という擬音を添えて紹介された。
若者の間では、急いで何かをしなければならない様子をあらわす際にも使われた。
「緊急銃猟/クマ被害」
クマが人里に出没した場合に、市町村長の判断で市街地での銃猟を可能とする制度。

今年9月から鳥獣保護管理法が改正されて導入された。今年は各地でクマによる被害が相次ぎ、住民の安全確保が急務となっている。
「国宝(観た)」
映画「国宝」が大ヒット。原作は吉田修一さんで、歌舞伎界を舞台にしており、上映時間は約3時間と長丁場。どうトイレを我慢するのかも話題になった。観客動員数は1231万人、興行収入は173.7億円を突破し、邦画実写の興行収入歴代ナンバーワンとなった。
「古古古米」
今年はコメが高騰し「令和の米騒動」とまで言われた。
小泉進次郎農水相が誕生すると、政府は備蓄米を放出し、安価なコメは各地で飛ぶように売れた。備蓄米には古米・古古米・古古古米など1年ごとに区分があり、古いお米の美味しい調理法なども話題となった。
「戦後80年/昭和100年」
今年は戦後80年という大きな節目であり、昭和100年でもあった。テレビや新聞、雑誌等で多くの特集が組まれた。
「二季」
今年は日本各地で猛暑が続き、春夏秋冬の四季が夏と冬の二季に変わったかのようになっている状況。三重大学の立花義裕教授のグループによる研究では、1982年から2023年の42年間で、日本の夏の期間は約3週間長くなり、春と秋は短くなっているという。
「ミャクミャク」
大阪・関西万博の公式キャラクター。
当初は不気味などと言われる事もあったが、開幕後は一転大ブレイク。万博も入場者数が右肩上がりで、ミャクミャクのグッズは飛ぶように売れた。
「オールドメディア」
新聞・テレビといったメディアを不要なもの、偏ったものとみなし「オールドメディア」と呼ぶ風潮が広まった。選考委員からは「SNSでバズれば当選。選んだのは有権者だが、その政治家について検証・分析・考察する歴史のあるメディアを『オールド』と批判にさらし、切り抜き動画や短時間で一方的な意見だけを都合よく熱狂的に流すことで支持を得る方法は、あまりにも無秩序なのではないか」との論評が。
過去の年間大賞
2024年 ふてほど
2023年 アレ(A.R.E.)
2022年 村神様
2021年 リアル二刀流/ショータイム
2020年 3密
2019年 ONE TEAM
2018年 そだねー
2017年 インスタ映え、忖度
2016年 神ってる
2015年 爆買い、トリプルスリー
2014年 ダメよ~ダメダメ、集団的自衛権
2013年 今でしょ!、お・も・て・な・し、じぇじぇじぇ、倍返し
2012年 ワイルドだろぉ
2011年 なでしこジャパン
2010年 ゲゲゲの~
2009年 政権交代
2008年 アラフォー、グ~!
2007年 (宮崎を)どげんかせんといかん、ハニカミ王子
2006年 イナバウアー、品格
2005年 小泉劇場、想定内(外)
2004年 チョー気持ちいい、
2003年 毒まんじゅう、なんでだろう~、マニフェスト
2002年 タマちゃん、W杯(中津江村)
2001年 米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」
2000年 おっはー、 IT革命
1999年 雑草魂、ブッチホン、リベンジ
1998年 ハマの大魔神、凡人・軍人・変人、だっちゅーの
1997年 失楽園(する)
1996年 自分で自分をほめたい、友愛/排除の論理、メークドラマ
1995年 無党派、NOMO、がんばろうKOBE
1994年 すったもんだがありました、イチロー(効果)、同情するならカネをくれ
1993年 Jリーグ
1992年 きんさん・ぎんさん
1991年 …じゃあ~りませんか
