高値が続くコメの価格。11月21日に発表されたコメの平均価格は5kgあたり4260円。前の週から56円下がっているものの、横ばい傾向が続いています。
高本圭市 記者:
こちらのスーパーでは新米がずらりと並んでいるんですが、5kg税込み4000円台後半から高い商品では5000円を超えてしまっています
店に並んでいた新潟産や秋田産など、コメどころの新米は軒並み税込み5000円以上。買い物の動向にも変化が出てきているといいます。
ヒバリヤ営業本部・山岸達也 部長:
きょうあるコメ(の価格)を見てどれを買うか選んでいる人が多い
農林水産省によりますと2025年産の主食用米の予想収穫量は746万8000t。前の年より1割ほど増えたものの、JAとその他の業者との集荷競争もあり新米の価格は高騰しています。
買い物客:
高いね、安くなってないね。(Q.希望の価格は?)3000円台後半かな。3800円とかちょっと4000円切るぐらい。やっぱみんな4000円超えてる
買い物客:
メーカー(産地)よりも値段を先に見てしまう。きょうは買わない(Q.また時期見て?)いくらになっているかなと思って結局買っちゃうんだろうね。4000円台で最後はね
いつもの商品からその日の値段次第に。値段の高い一部のコメが半月ほど売れ残ることもある中、この店では商品の選択肢を増やしニーズにこたえようとしています。
ヒバリヤ営業本部・山岸達也 部長:
安いか高いかだけではなくて、真ん中を増やすことで利用客に買ってもらえる施策というところで動いている。ある程度買い物ができるようにと取り組んでいます
鈴木櫻子 記者:
こちらの棚すべて新米なんですが、ずらっと山積みになった状態です
静岡市駿河区のスーパーにも店内にたくさんのコメが。
ただ、価格高騰で仕入れている量は2024年より4割ほど少ないものの、仕入れに必要だった金額は2024年とほぼ同じでした。
仕入れる量が少なくても店からコメがなくなることは考えづらい状況だといいます。
運営するタカラ・エムシー商品本部
香取多満 部長:
今年8月から古米・備蓄米をかなり大量に売ってきました。新米出てから高止まり、高いコメを(利用客が)買わなくなった。コメが足りてないでなく、余っていますということ
仕入れる量を減らしたことで店の“コメあまり”を避けていますが、懸念されるのが“コメ離れ”の加速。
実際にパンやパスタなどの売り上げはこれまで以上に伸びているということです。
店では特売日のほかにもポイント還元などによるコメの販売促進を検討しています。
コメの価格は今後どうなるのか。
担当者は現状が続けは卸業者も在庫が増えすぎ、2026年にはコメが値下がりすると考えているそうです。
運営するタカラ・エムシー商品本部
香取多満 部長:
私の取っているデータだと(来年)5kgあと500円下げて販売できればいいなと
一方、政府が閣議決定した重点支援地方交付金の拡充で自治体の使い道の一つと想定されるのが「おこめ券」の配布です。
価格の下支えになるのではという声もあることについて鈴木憲和 農水相は―。
鈴木憲和 農水相:
いまやはり重要なのは様々な価格帯のものがないという現状。十分に買えないという声に対し、私たちはしっかりと応えていくべきだと考えています
コメ不足から一転、価格高騰による“コメあまり”と“コメ離れ”。政府には実効性のある対策が求められています。