2022年に安倍元総理を手製の銃で撃って殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判は25日、2回目の被告人質問が実施され、「銃は誰に使うつもりだったか」という質問に「韓鶴子(ハン・ハクチャ)」と答え、旧統一教会の総裁の名前を挙げました。
■一度襲撃に失敗し「非常に情けなかった。何とかする方法はないのかと思った」
被告人質問で山上被告は2018年7月から襲撃を考え始めたと明かされ、銃を使おうとしたきっかけについて、次のような説明をしました。
【山上被告】「岡山の少し大きめの体育館に、韓鶴子の娘が来るというので、襲撃しようと考え、駐車場から来ると考え、ナイフと催涙スプレーを持って待っていましたが、教祖の娘がボディーガードと歩いて来るのをみたときに躊躇してただ見送りました」
(Q.その時の感情は?)
【山上被告】「非常に情けなかった。何とかする方法はないのかと思った」
また2019年10月には別の場所で襲撃しようと待ち構えていたものの、会場の規模が大きく、待っているうちに教団のイベントが始まり、失敗に気付いたという経験も語りました。
(Q.その時は何を持って行った?)
【山上被告】「火炎瓶を何個か作って持っていきました」
(Q.その時はどんな気持ち?)
【山上被告】「持っていること自体緊張するので、海に捨てたが、ほっとした」
(Q.使っていたらどうなっていたと思う?)
【山上被告】「投げるものですので、確実に対象だけに危害を加えるわけではないので、実験をしていたわけでのなかったので、中止でよかったと思いました」
■「火炎瓶は確実性に欠けるので距離を取るのは銃がいい」
(Q.2021年はじめから銃をつくろうと?)
【山上被告】「なったと思います」
銃を作ろうと考えた時期についてこう述べた山上被告は、その理由を次のように説明しました。
【山上被告】「岡山で教祖の娘相手にナイフと催涙スプレーで実行できなかったのは対象と距離を取れば発砲でできたりすると考えた。
ナイフで刺すのは心理的抵抗があるので。1つは火炎瓶はあったが、確実性に欠けるので距離をとるのは銃がいいと」
■「爆弾は被害が広がるのである程度被害を限定したほうがいいと思いました」
一方、検察側の質問では、襲撃の対象について「韓鶴子の他にも、韓鶴子の子弟の誰かになるとか、幹部の誰かが良いと思った」と説明しました。
また襲撃しようと火炎瓶以外に爆弾を作ろうと考えていたことを明かしました。
【山上被告】「火薬を作る必要があり、爆弾には大量の火薬が必要。爆弾は被害が広がるので、ある程度被害を限定したほうがいいと思いました」