東京・世田谷区の閑静な住宅街にたたずむ豪徳寺。近年、外国人観光客に大人気のスポットと化している。その人気の理由は「ネコ」。“招き猫発祥の地”とも呼ばれ、境内に様々なネコが飾られることがSNSで話題になり、世界中から訪問客が殺到する事態に…。寺側は対応に追われている。
世田谷の閑静な住宅街にある寺に外国人が殺到
境内のもみじが赤く色づき、紅葉のピークを迎えた東京・世田谷区の「豪徳寺」。

その境内には連日、多くの外国人観光客が訪れていた。

外国人観光客は「このネコが欲しかったんです。祈るために」「ネコが大好きなんです。見て貰えば分かるけど(笑)」などと話した。

境内に様々なネコが飾られ、“招き猫発祥の地”とも呼ばれる豪徳寺。その一角にはこんな場所も・・・

取材班:
こちらの奉納所にはかなりの数の招き猫が並んでいます。そしてその招き猫を撮影する方もいますね。
奉納棚には1万個ほどの大小様々な「招き猫」がところ狭しと並び、多くの外国人観光客が熱心に撮影していた。
香港から来たという女性3人組は、招き猫と紅葉の見事なコラボレーションを撮影しご満悦・・・

香港から来た女性:
すごく幸せです。私たちはこの招き猫を買うために長い時間待ったんです。
招き猫の販売所には連日、長蛇の列が・・・

取材班:
招き猫の販売所には100人近くの人が列を作っています。

1日に1000個以上の招き猫が売れるといい、生産が追いつかず、1人1個の購入制限が設けられた。

ちなみに売れ筋は、この小さなサイズだという。
訪れる人の9割近くが海外からの観光客だという豪徳寺。世田谷区の閑静な住宅街にある。
取材班:
駅から外国人の方がたくさん出てきます。
地元の生活に密着した路面電車「東急世田谷線」にも外国人観光客の乗客が増加。住民からは・・・
住民:(Q海外から?)
多いですね。皆さんお寺さんに。
住民:
もう2年くらい前から増えましたね。驚いてますよ、増えて。
人気のきっかけはSNSの拡散
この豪徳寺の“招き猫人気”のきっかけはSNSだった。

観光客:
インスタグラムで知りました。

豪徳寺が「Lucky(ラッキー) Cat(キャット) Temple(テンプル)」としてSNSで拡散され、海外から訪れる観光客が少しずつ増加。
そして2025年8月、来日していたアメリカの歌姫・ビリー・アイリッシュさんが豪徳寺を訪れ、SNSに招き猫の画像を投稿。すると9月以降、訪れる外国人観光客がさらに増えたという。

海外から訪れる人が増えたことでこんな現象も・・・
取材班:
購入した招き猫は通常、自宅に持ち帰り、願いが叶った後で寺に奉納するのですが・・・

観光客:(Q何と書いた?)
健康と成功を祈って、すぐに戻ってこられるようにと。
外国人の多くが買った招き猫にすぐ願い事を書き、次々と奉納棚に置いていくのだ。

取材班:
置かれた招き猫には外国語のメッセージがいっぱいです。
棚が一杯になった招き猫は年一回の「お焚き上げ」で供養される。

ところが増える一方の招き猫に年に一度では追いつかず、寺では、お焚き上げの回数を増やし、対応しているという。
(「イット!」11月25日放送より)
