霧島市長選挙は2025年11月16日、投開票が行われ、現職の中重真一氏(48)が新人2人の候補を破り、3回目の当選を果たした。中重氏は市議会議員と県議会議員を経て市長に就任し、これまでの2期8年の実績を訴えて支持を広げた結果、2万3千票余りを獲得した。今回の投票率は53.41%で、前回を5.83ポイント下回った。
争点となった各候補の主張
現職の中重氏と元市議の新人・山田龍治氏(50)、同じく元市議の新人・今吉直樹氏(45)による三つどもえの選挙戦は、各陣営がSNSを活用して情報発信を強める中で争点が鮮明になった。
山田陣営はYouTubeなどで課題別の発信を続け、固定資産税減税や水道料金値下げ、ふるさと納税の拡充による市民負担の軽減と地域活性化を訴えた。今吉氏は少子化対策や観光回復、中心部と周辺部の格差是正を掲げ「地域の衰退」を強く危惧した。中重氏は市内全域の超高速ブロードバンド整備や市立病院開設などこれまでの実績を前面に出し、一次〜三次産業のバランスある発展を訴えて支持を固めた。
合併20年目の節目を迎えて
今回の選挙は市政の継続か刷新かが問われる中、合併20年目を迎える霧島市の節目となる選挙でもあった。当選した中重氏は「霧島市の発展を今まで通り継続させてほしいという思いがひしひしと伝わってきた選挙だった。(合併)20年たった霧島市が一つの区切りが付いた選挙。新たな霧島市を市民の皆さんとつくっていけたら」と抱負を語った。
今後、中重氏はこれまでの実績をもとに、防災対策の強化や産業のバランスの取れた発展など、市政の継続性を保ちながらも新たな霧島市づくりを進めていくことになる。
