秋田・湯沢市で、ツキノワグマが鉄の檻をかみちぎるように暴れる様子が撮影された。2025年は全国的にクマの出没が相次いでおり、死者はすでに過去最多の13人。秋田・雄勝猟友会によると、2025年度の駆除数はわずか半年で39頭と、前年の10倍近くに上っている。

150kgのメス熊大暴れ「手足もパンパン」

5日、鉄の檻を大きな牙でかみ切ろうとするクマが秋田・湯沢市で撮影された。

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雄勝猟友会の猟師:
ドンドン(クマが)向かってくる。すごい。もう人が右行けば右へ、左行けば左へ。ドンドンぶつかってきて、鉄骨だがかみついて、歯もボロボロになってしまっていたが、鉄筋の周りも折れてるのが1カ所あったし、これまでにないくらいに凶暴になっていた。

檻の中で大暴れしていたのは、メスのツキノワグマだ。その大きさは体長は1m35cm、体重は150kgだ。

雄勝猟友会の猟師:
太ってるんです、もうすごいパンパンでした。手足もパンパンで、肥えてるクマですね。
(Q.凶作でエサがないのになぜ太る?)
やっぱり食べてるんでしょう、里に下りてきて。柿、栗は栽培している人もいるので。木に登ってバリバリバリバリ、ほとんどの木やられたから。

全国で相次ぐクマ被害。これまでに死亡した人の数は、過去最多の13人に上る。

その闘争本能は、これまでの常識とは違っているという。

雄勝猟友会の猟師:
前は人から離れていくけど、今回は違う。(人に)向かってくる。今までとは全然違う。かなり危険、今年のクマは特に。

猟友会によると、2024年度の駆除は4頭で、2025年度は6日までに、すでに39頭を駆除したという。

関東の小学校で「クマよけ鈴」配布

関東でもクマへの備えが始まっている。

栃木・佐野市内にある小学校では「クマよけ鈴」が配布されていた。

先生:
これを1人1個配るので、もらった人は袋を開けてランドセルに付けて。

佐野市では、クマの出没情報が6日時点で30件と、年間件数の過去最多を更新した。

市は緊急のクマ被害防止対策として、市内の小中学校などに「クマよけ鈴」1500個を配布することに決定した。

受け取った児童が早速「クマよけ鈴」をランドセルに付けて歩いてみると、教室中に鈴の音が響き渡った。

クマを見たことがあるという児童はこう話す。

クマを見た児童:
本当にめっちゃでっかくて、犬ではないぐらい。なんか黒いっていうか、めっちゃすごかったです。家の近くで見て、前も鈴もらったんですけど、今回もまたもらって、ちょっと安心できるかなって感じです。

こうした中「クマよけ鈴」を作る栃木・鹿沼市の製造所「大森鋳造所」では注文が急増し、対応に追われていた。

テーブルの上に新聞紙を広げて行われていたのは「クマよけ鈴」の組み立て作業だ。

大森鋳造所・大森貴弘さん:
組み立てにかなり時間がかかるので。10月は約5000個出荷しました。
(Q.2024年と比べてどれくらい?)
2倍以上ですね。