黄川田仁志・沖縄北方担当相が11月8日、北海道根室市を訪れ、本土最東端の納沙布岬で北方領土を視察しました。視察後、報道陣に感想を聞かれ「(納沙布岬は)一番外国に近いところ」と発言しました。

 10月の就任後、黄川田氏が納沙布岬を訪れるのは初めて。北方領土の早期返還やロシアのウクライナ侵攻後、実施できていない北方領土での墓参の再開を図る狙いがありました。

 当時、現地は天候が良く、最も近い貝殻島(納沙布岬から約3.7キロ)がくっきり見えていたということです。

 黄川田氏は視察後、報道陣に感想を尋ねられ「一番やっぱり外国に近いところですから。それをやっぱり目で感じるっていうのが大切だ」と述べました。

 その上で「やっぱり若い人たちになるべく足を運んでもらって、この距離感をしっかりと見てほしい」としました。

 外務省によりますと、北方領土は「日本固有の領土」ですが、1945年にソ連に占領されてから、今もロシアによる不法占拠が続いています。

 黄川田氏の発言は政府の立場とは相いれないものです。

 黄川田氏は視察後、石垣雅敏根室市長、根室地方の5市町の首長、北方領土の元島民でつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」の幹部などと意見交換しました。

 関係者によりますと、黄川田氏は元島民に「直前に石垣市長から『根室市は外国からの玄関口だ』と聞いていて、流れで言ってしまった」などと弁明したということです。

 黄川田氏は7日の閣議後、「訪問を第一歩に、墓参をはじめとする四島の交流を再開したい」と述べていました。

北海道文化放送
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